展示館棟は25年度 工事費11億円
幕別町は2024年度、アイヌ文化拠点空間整備事業の生活館棟新築に着工する。25年度には展示館棟を新築。外構や改修を含む概算工事費は11億3700万円とする。敷地全体をアイヌの集落であるコタンに見立て、アイヌ文化の伝承と来訪者が民族への理解を深める空間とする。23年度は建設地の千住生活館解体と生活館棟の実施設計に取り組む。
アイヌ民族のコミュニティー活動を支援し、文化継承と町民交流を促進するための新施設を建設。老朽化が進む千住生活館(CB造、平屋、延べ196m²)と蝦夷文化考古館(CB一部W造、平屋、延べ124m²)がある千住113の4などの敷地5522m²を使う。
新築する2棟はいずれもRC一部W造、平屋、延べ約700m²の規模とし、渡り廊下でつなぐ。生活館棟はアイヌの伝統的儀式ができる伝承室を中心に3つの研修室や調理室を配置。展示館棟は貴重な資料を保管する収蔵庫と展示室で構成する。実施設計は生活館棟を23年度、展示館棟を24年度に発注する。
駐車場は施設東側と南側で計50台と大型バス用2台を構える。北側にある途別川堤防沿いのサイクリングロードからの通路も確保する。西側にはアイヌ民族の住居チセを実物大で復元。周辺にはチセがあった頃の植栽を再現する。
千住生活館は23年度、考古館の管理棟は24年度に解体。建築学的に貴重な宝物堂は改修して保存する。
基本計画はアトリエブンクが担当。概算工事費の内訳は、生活館棟が4億6100万円、展示館棟が4億3900万円、4100m²の外構が1億8000万円、考古館改修が4100万円、生活館解体が1600万円となっている。
生活館棟は25年度の供用開始を予定。展示棟完成と周辺整備を経て、26年度の全面開館を目指す。