せたな、今金町で
函館開建は1月31日、今金町内で第4回後志利別川整備計画検討委員会を開き、後志利別川水系河川整備計画の変更に向けた原案を公表した。計画規模を上回る洪水が相次いでいることを踏まえ、目標流量を変更するとともに、新たに3区間で河道掘削を想定する。
現行計画は2007年度に策定した。近年、気候変動による水害リスクが高まっていて、目標流量を毎秒1200m³としている今金地点で、17年9月に1320m³、22年8月に1300m³を観測。情勢変化に対応するため、22年9月に第3回の会合を開き、計画変更に向けた議論をスタートした。
今回示した原案では、気候変動などの推計を参考に、今金地点の目標流量を毎秒350m³高め、1550m³とした。美利河ダムの操作による洪水調節後の河道への配分流量は200m³増やし、1200m³を見込んだ。
この規模の洪水を安全に流下させるため、新たに3区間で河道を掘削する方針を盛り込んだ。せたな町市街地付近から今金町市街地付近に至る1・2―15キロポスト(KP)と今金町中里地区の35・8―37・8KP、40―43・6KPを想定している。
掘削に当たっては、自然環境に配慮する方向性を掲げた。魚類生息の場となるワンド状の河道保全や、鳥類が餌を探す水辺林を洪水流下の支障にならない程度の規模で形成するといったプランを描いている。
河道掘削について委員からは「計画策定後、順次掘削すると思うが(具体的な掘削方法やその後の影響などについて)間に合うように検討が必要では」との指摘があった。開建は掘削後の状況のモニタリングは重要としつつ、「これまで得た経験を含め、学識者の意見ももらいながら、掘削や維持管理の方法を検討する」と説明した。
開建は今後、委員からの意見を反映するなどし、3月16日にも第5回の会合を開いて最終案を示す。その後、道との協議を経て策定を目指す。