新たな保存活用計画策定へ
札幌市市民文化局は2023年度、旧札幌控訴院庁舎(札幌市資料館)の耐震化に向けて耐震診断に着手する予定だ。今後の活用方針などについて協議を進めるため、新たな保存活用計画の策定にも取り掛かる考え。
中央区大通西13丁目の札幌市資料館は1926年に完成。耐震性不足のほか、防災面で課題がある。れんが、札幌軟石の組積造とRC造による混構造になっていて、事例が少なく耐震化の難易度が高い。

耐震化を計画する札幌市資料館
同施設の耐震・保全に当たっては17年度に基本計画、18年度に保全やバリアフリーに関わる保全等整備計画を策定。20年12月に国の重要文化財の指定を受けたことから計画を見直し、文化財としての価値に見合った耐震補強に取り組む。
文化庁が指定している基準に基づいた補強をするため、耐震診断する。詳細な調査をして部位ごとの文化財的価値を把握し、適切な工法を探る。
新たな保存活用計画とともに24年度末までにまとめる方針だが、必要な場合、追加の調査も視野に入れている。