札幌市は2023年度、老朽化が進む東消防署の移転新築に向けて設計に着手する。基本、実施設計の一括発注を見込み、入札方式は一般競争かプロポーザル方式を検討。年度早々の公告を目指す。24年度に設計を完了し、25年度の着工、26年度の完成と供用開始を計画する。
新施設はRC造、4階、延べ2300m²の規模を想定。訓練施設や資機材保管庫を新たに併設し、防災拠点機能を強化して都市水害や土砂災害に備える。
移転先は東区北33条東18丁目2の1ほかにある約2000m²の民有地。札幌新道に面し、今は更地となっている。23年度に土地の取得や測量、地質調査を進める。予算案に関連費用4億500万円を計上した。
数年前から移転先を選定し、当初は消防車両の駐車などを考慮して3000m²ほどの敷地を探していた。適地が見つからず条件を緩和した。
東区北24条東17丁目にある東消防署はRC造、2階、延べ918m²の規模で1972年の完成。消防車両9台を保有するほか約90人が働き、老朽化や狭小さが課題だ。
消防署移転後は市役所内部で活用案を募り、希望がない場合は解体を見込む。
消防関連の市内大型施設では、南消防署を18年度に新築。他施設の完成年は北消防署が80年、消防局本庁舎86年などとなっている。
また、市は消防施設の新型コロナウイルス感染症対策として仮眠室の個室化や照明設備の非接触化などを進める。23年度は9施設で改修工事の実施設計や、10施設で扉設置などに取り組む。関連費用2億3600万円を予算案に計上している。