光集める「ピラミッド」提案 安らげる休憩所へ工夫凝らす
名寄産業高機械・建築システム科建築システムコース3年の安藤将大さんが、道主催の2022年度高校生建築デザインコンクールで最優秀作品賞を受賞した。ピラミッド状の屋根に天窓を設けるなど独創的なデザインが評価。大学受験と併せて設計に励み、栄光を勝ち取った。
道建設部建築局が主催するコンクール。道立宗谷ふれあい公園内にあるパークゴルフ場の利用者が使う休憩所の設計を課題とし、76作品の応募があった。
豊富町出身の安藤さんは、幼い頃から身近だった公園をテーマに建物を設計することに興味を抱いた。「勢いと直感で動いた」と、自主的に参加を決めた。
タイトル名は「キタノシバ」。休憩室やラウンジといった利用者が安らげる場所と、事務室などの窓口機能をつなげるため矢印のような形状を発案。玄関を建物の両側に設け、どちらからも室内に入れるよう利便性を高めた。
公園施設は屋根がとがった形状をしているものが多いことから、ピラミッドをイメージし、周囲と調和するようにデザイン。頂上部をアトリウムにし、光が室内に集まるように工夫を凝らしたことが、高校生らしい発想と評価された。
意匠を分かりやすく伝えるため、プレゼンテーションでは模型を制作。完成した模型を周囲や視点の異なる高さから撮影し、資料にまとめた。
大学受験との兼ね合いなどで悩む安藤さんを、和田博之教諭が支えた。華美にならず利用者が安らげる外観にすることや、現実的に建設可能となるために費用の制約も考慮に入れるよう指導。「受験もあって大変だったと思うが、よく最後までやりきったと思う」と称賛する。
8日に同校で表彰式を開催。石丸貴康建築局長が安藤さんに表彰状を授与し、栄誉をたたえた。
「将来の進路について迷うこともあったが、コンクールに参加して建築士になりたいと夢が固まった」と安藤さん。高校卒業後は星槎道都大へ進学し、建築についてさらに勉学に励む。(旭川)