投資的経費は2割減の2770億円 道の23年度予算案

2023年02月14日 05時00分

骨格編成 白糠で上庶路庶路停線本岐跨線橋架け換え

 道は10日、2023年度予算案を発表した。4月に知事選と道議会議員選挙を控えた骨格編成で、一般会計は前年度当初比11.6%減の2兆8507億4573万円。このうち投資的経費は一般、特別会計合わせて22.3%減の2770億5509万円にとどまったが、補助事業費などは前年度並みを確保した。主な建設事業では、上庶路庶路停線本岐跨線橋架け換え(白糠町)や雨竜川整備(幌加内町)などの新規着手を計画している。

 特別会計は1.7%減の1兆209億5302万円、一般会計を合わせた総額は9.2%下回る3兆8716億9876万円。骨格予算としては1999年度に次ぐ過去2番目の規模となった。

 前年度当初の一般会計は新型コロナウイルス感染症対策に重点配分したが、感染症病床確保促進事業費を9月までの所要見込み額とするなど通年で見込んでいない分、23年度は規模が縮小した。

 骨格編成により大きく影響を受けたのは一般会計分の投資的経費で、2671億6119万円と23.2%のマイナスを示した。特に公共事業費の国直轄事業負担金は上半期支払い分までの所要額を計上したため、75.7%減と大幅に減少。投資的事業費の特別対策事業費、公共関連単独事業費も原則、前年度当初予算額の2分の1とした。

 一方、年間所要額で算出した公共事業費の補助事業は1731億7368万円で1.4%、継続工事分などを予算化した施設等建設事業費は255億3458万円で4.9%それぞれ増加。社会資本整備総合交付金事業費も1%減の214億600万円と前年度並みを見込んだ。

 補助事業で大きく伸びたのは空港港湾で5.2倍の11億5974万円を配分。オホーツク紋別、利尻空港での航空灯火LED化、中標津空港でのターニングパット拡張が本格化したことにより、大きく伸びた。下水道も石狩川、十勝川、函館湾の3流域下水道で処理場改修や老朽化更新を盛り込んだ影響で39.1%増加している。

 災害復旧費は2.2倍の51億8596万円を確保。うち過去の災害に対応する過年分は33億4028万円、23年度災害に備えた現年分は18億4567万円となっている。

 主な建設事業を見ると、道路では上庶路庶路停線本岐跨線橋架け換えに新規着手する予定。事業延長は560m、幅員11m、うち新橋は橋長69.1m、幅員11.9mを見込んでいる。

 継続では、名寄遠別線宇遠別トンネル新設が3年目、小樽環状線最上トンネル新設が2年目の施工となるほか、恵庭栗山線馬追橋と熊牛御影線十勝橋の架け換えで上部に着工する見通し。どちらも25年度までの債務負担行為を設定する考えだ。

 その他の主な事業では、大詰めを迎えている泊共和線新設で路盤、舗装、茶津大橋橋面工、環境調査、滝之町伊達線新設で路盤、舗装、石標埋設、美唄富良野線特定交付金で道路土工、地滑り対策、路盤、舗装、環境調査を予定している。

 河川は、雨竜川(幌加内町)、雨煙内川(同)、智恵文川(名寄市)、中央ウブシ川(天塩町)、原子の沢川(幌延町)の新規着手を計画。ペーパン川(旭川市)では計画区間上流への延伸を見込み、継続の無加川(北見市)、利根別川(岩見沢市)、常盤川(函館市)などの整備も進める。

 砂防では、緑町2地区地すべり対策(紋別市)に着手する予定で、富良野川火山砂防2号堰堤(上富良野町)、駒ケ岳火山砂防砂原町工区(森町)、ペケレベツ川砂防(清水町)などの整備も推進。海岸事業は、継続で浜中海岸(浜中町)、大津海岸(豊頃町)の高潮対策、野付崎海岸侵食対策(別海町、標津町)などを実施する見通し。

 建築関係は、室蘭建管苫小牧出張所改築に着工する。RC造とW造の混構造、3階、延べ2199m²の規模で、防災上の観点から1階部分はピロティとする計画。ZEB化の実現を目指す。深川警察署庁舎改築はRC造、4階、延べ2799m²で着工。中標津合同庁舎は移転改築に向けて実施設計に着手する。移転建て替えを計画する紋別高等看護学院は旧校舎の解体の実施設計に取り組む。

 10日の定例記者会見で鈴木直道知事は、長期に及ぶコロナ禍や価格高騰により、道民生活や事業者の経営環境に大きな影響を及ぼしていることから、物価高騰などの影響緩和、経済活性化に向けた支援策を22年度補正、23年度当初予算に盛り込み、切れ目ない対策を実施すると強調。HOKKAIDO LOVE!割などの観光需要喚起策に加え、当初予算ではゼロカーボン北海道の実現へ道有施設LED化などを展開する考えを示した。

 予算案は17日開会予定の第1回定例議会に提出する。

contents 北海道建設新聞2023年2月11日付5面には、関連記事と解説が掲載されています。閲覧は新聞本紙か、e-kensinプラスの記事検索コーナーをご覧ください。

関連キーワード: 予算 北海道庁

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

e-kensinプラス入会のご案内
  • オノデラ
  • web企画
  • 東宏

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

藻岩高敷地に新設校 27年春開校へ
2022年02月21日 (2,988)
おとなの養生訓 第245回 「乳糖不耐症」 原因を...
2023年01月11日 (1,352)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (1,312)
函館―青森間、車で2時間半 津軽海峡トンネル構想
2021年01月13日 (1,218)
おとなの養生訓 第126回「なぜ吐くのか」 空腹時...
2017年12月22日 (838)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第258回「体温上昇と発熱」。病気による発熱と熱中症のうつ熱の見分けは困難。医師の判断を仰ぎましょう。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第34回「1日2470個のご飯粒」。食品ロスについて考えてみましょう。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第32回「読解力と認知特性」。特性に合った方法で伝えれば、コミュニケーション環境が飛躍的に向上するかもしれません。