脱炭素推進へ森林管理本格化
赤井川村は脱炭素実現に向けて、CO₂吸収源となる村有林の管理推進と、木質バイオマスを活用した熱供給システムの構築を計画している。2023年度から5カ年で人工林52.21haを対象に間伐や皆伐を予定。25年度をめどに未利用材から得たまきやチップを育苗ハウスの熱源にするボイラ導入の実証を進める。
ゼロカーボン達成を目指す施策の一環で、新たに森林資源を生かした事業に着手する。
村有林1800haのうち人工林は400haに上る。林道が未整備であるなど課題が多く、森林管理は活発でなかったが、CO₂吸収源の開発と木質バイオマス取得へ管理を本格化する。
23年度は富田地区にある12林班156、157小林班7.88haでアカエゾマツの間伐を予定。村内林業者の協力を得ながら担い手を確保する方針で、近く公表する当初予算案に必要経費を計上する見通しだ。
24―28年度は市街地付近や常盤地区に点在する村有人工林44.33haが対象。カラマツ、トドマツ、改良ポプラの間伐、皆伐、更新伐を進める。
森林管理で得られる未利用材からチップなど固形燃料を製造し、農業施設の熱源設備の燃料に転換できる体制づくりを目指す。24年度から2カ年で農業振興センターの育苗ハウス2棟程度に木質バイオマスボイラを実証的に取り入れ、26年度以降の集中式熱供給システム導入につなげる考えだ。
村は21年度にエネルギービジョンを策定。保養センターなどに温泉熱利用の再エネ設備導入を計画するなど、エネルギーの地産地消による光熱費節約やCO₂削減に向けた取り組みを積極展開している。