普通建設事業費400億円 上川管内23市町村の23年度予算案

2023年03月06日 16時50分

骨格編成7町村、5.4%減 中富良野は小中統合校着工

 上川管内23市町村の2023年度予算案が7日、出そろった。総額は2.3%増の5397億9787万円、一般会計は2.1%増の3328億6401万円とそれぞれ前年度を上回った。一方で統一地方選などによる骨格編成が7町村あり、一般会計に占める普通建設事業費は5.4%減の400億1155万円にとどまった。中富良野町は小中統合校舎に着工するほか、旭川市は永山西小校舎・屋体改築、東神楽町は総合福祉会館改築など、大型の建築工事を継続する。

 普通建設事業費が突出したのは2・6倍の中富良野町、94.4%増の南富良野町、91.3%増の比布町などで、大型事業を盛り込んだことで増額となった。東川、美瑛、下川、美深、中川、幌加内の6町と音威子府村は骨格編成のため軒並み前年度を下回った。

 中部では予算総額の大半を占める旭川市が、総合庁舎建て替えをおおむね終わらせたことで普通建設事業費は減額となった。東神楽町は継続の複合施設建設や総合福祉会館の改築で最大規模の予算編成が続くほか、上川町も認定こども園建設で増額となった。

 南部は中富良野町が小中統合校舎の建設初年度分を盛り込んだことで大幅な伸びを見せたほか、南富良野町は高校耐震改修などで増額となっている。富良野市は新市庁舎が完成したことで、普通建設事業費が半減した。

 北部は名寄市が継続の智恵文小中改築などにより普通建設事業費が増額。特養老人ホーム建て替えに向けた計画策定に着手する和寒町以外は、軒並み予算が減っている。

 土木系では旭川市が継続の忠和6条道路の河川暗渠化などの道路事業を盛った。士別市では3丁目仲通など3路線の路盤改良、美深町で北4丁目道路の改良、美瑛町で美沢18線道路改良舗装などに着手する。

 委託では、旭川市で市住第2豊岡団地3号棟の実施設計を進めるほか、富良野市でスポーツセンターメインアリーナ耐震改修実施設計に予算措置。比布町のくるみ保育園移転改築、愛別町の火葬場建て替えといった建築工事に向けた実施設計を予定している。

 23年度市町村予算案の建設事業動向は次の通り。

 旭川市 総合庁舎建て替えの躯体が完了したことにより、普通建設事業費が18%減少した。永山西小校舎・屋体の現地建て替えに新規着工し、豊岡小校舎建て替えの継続費も盛り込んだ。第2豊岡団地は2号棟B工区の継続費のほか、3号棟建て替えの実施設計費を措置する。

 市民文化会館は建て替えに向けた基本計画を策定する。土木系では忠和6条道路の河川暗渠化を進めるほか、水道事業では高砂台調整池の改築に伴う配水管の切り替え、下水道では処理センター内での送水管・ガス管路更新に予算を計上している。

 士別市 3丁目仲通など3路線で路盤改良。多寄下士別40線ほか3路線の側溝整備なども含め1億4850万円を計上している。

 名寄市 22年度から進める智恵文小中学校建て替えに4億2705万8000円を措置。道路改良では東2条通など新規で2路線を整備する。

 富良野市 スポーツセンターメインアリーナ耐震改修に向け、設計に着手。富丘埋立処分場拡張の基本構想計画策定も盛った。

 鷹栖町 継続で、鷹栖汚水中継ポンプ場電気設備更新などに2億1100万円を計上した。新規では幹線配水管更新や北鷹栖団地建て替えの実施設計に着手する。

 東神楽町 役場庁舎など複合施設の建設継続により普通建設事業費が2割増に。総合福祉会館は解体した後、小規模な建物に現地改築する考えで、約6億円の予算を充てている。

 当麻町 防災拠点施設の建設と外構舗装に1億8100万円を充てた。新規では廠舎川改修や1条道路の舗装修繕に着手する。

 比布町 小中一貫の中央学校の職員室増築やエアコン設置を計上したことで普通建設事業費が倍増した。くるみ保育園の移転改築に向けて、実施設計費を補助する。

 愛別町 24年度の建て替えを計画する町火葬場に、実施設計費として2591万6000円を措置した。

 上川町 認定こども園の建設が始まるため普通建設事業費が増加した。町内2橋の水管橋改修を見込み、状況調査として451万6000円を計上した。

 東川町 骨格編成。キトウシ保養施設の主体がおおむね完成したため、普通建設事業費が減少した。カントリーエレベーターの負担金に14億2200万円を拠出する。

 美瑛町 骨格編成。新規で再エネ導入目標作成の費用を計上し、継続で美沢18線道路改良舗装に1億円を措置した。

 上富良野町 公住泉町南団地5号棟の建設費2億4865万2000円を計上。北24号道路舗装補修には6760万円を投じる。

 中富良野町 中富良野小と中富良野中の統合校舎建設に着工。初年度の工事費に26億1885万3000円を措置する。

 南富良野町 普通建設事業費は倍増して11億9014万3000円に。南富良野高校舎耐震改修、道の駅再整備に伴う公園の整備などを予定する。

 占冠村 補修設計として占川橋に2288万円、林友橋に1570万8000円を計上した。

 和寒町 老朽化の進む特養老人ホーム芳生苑建て替えの基本計画を含めた基本構想策定に2250万円を投じる。

 剣淵町 中央団地公住の改修に2378万2000円を盛った。新規では所有者不明土地の取得費などに195万3000円を計上した。

 下川町 骨格編成。最終棟となる元町団地1棟2戸の建て替えに2億2113万円を盛り込んだ。

 美深町 骨格編成。1億3000万円を充て、北4丁目道路の測量設計と延長300mの改良を施す。

 音威子府村 骨格編成。19年の大雪で崩落した中島公園線中島橋の橋桁取り換えに6350万円を計上した。

 中川町 骨格編成。災害復旧費2億4043万1000円を投じ、町道6路線など22年8月豪雨の被災箇所を復旧させる。

 幌加内町 骨格編成。農業集落排水の幌加内浄化センターの機械・電気設備更新の初年分として1億6860万円を計上している。


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