「長く働きたい」と日々奮闘
超難関の試験を突破―。管野組(本社・遠軽)のベトナム人技能実習生グエン・ヴァン・フンさん(31)がこのほど、建築大工随時2級に合格した。同社によると、道内で初めての合格だという。フンさんは「仕事の合間を縫って勉強を重ねた。実技試験が難しかったが、合格できて、とてもうれしい」と満面の笑みを浮かべる。ベトナム人エンジニアのホアン・テイ・タイン・ハーさんも2級土木施工管理技士の試験に合格。同社は1月にベトナム人エンジニアが新たに3人入社し、将来的にはベトナムに支店を構えることを構想している。

合格の喜びを語るフンさん(左)とハーさん
随時2級は技能実習3号修了予定者で、基礎級3級技能試験に合格していることが受験資格となる。技能実習3号になるためには1号、2号を良好に修了していることに加え、実習実施社(管野組)が優良企業であることが求められる。フンさんは同社にとって初めての外国人技能実習生として2018年に来日。21年に基礎級3級技能試験に合格している。
フンさんは学科、実技試験に向け、本試験の1カ月前から勉強や練習に励んだ。会社側もフンさんを職業訓練校に通わせ、技術や日本語の早期習得を後押し。試験会場までの移動や試験を受けるために必要な道具の用意など環境を整え、全面的にバックアップした。
同社に残りたいという強い思いを持つフンさんは、技能実習から特定技能へと移行することで、さらに5年間の就労が可能になるという。現在は網走市内の寄宿舎新築現場で汗を流す。将来の目標に向かって日々奮闘するフンさんは「管野組で長く働きたい」と目を輝かせた。
一方、19年に入社し、システム管理部に所属するハーさんは、これまでの実務経験を生かしながら勉強を重ね、2級土木施工管理技士の試験に合格。ハーさんは「日本語に苦労したが、合格してほっとした」と胸をなで下ろす。これからは現場代理人として工事の最前線に立てるようになる。
ハーさんは24年の1級土木施工管理技士試験に向けた準備を始めていて、日本語能力試験の最上級「N1」合格も目指している。ハーさんは「ベトナムに支店ができたら、日本で学んだ知識や技術を生かし、会社の力になりたい」と決意を新たにした。