擬似的なLDK空間展示 道内のリフォーム需要喚起
タカラスタンダード(本社・大阪)は、道内で水回りリフォーム需要を掘り起こす。11日に札幌市内のJR苗穂駅南口で新たなショールームをオープン。人気グレード商品で擬似的なLDK空間を設けるなど、ユーザーがリフォーム後の間取りをイメージしやすくする空間展示を強化する。水回り改修が生み出す暮らしの快適性を訴求し、リフォーム意識高揚への起爆剤とする考えだ。

新たなショールームで
潜在需要への刺激を図る(左から)野口専務と高崎支店長
JR札幌駅前の北海道建設会館に入居していたショールームを移転し、苗穂駅前の再開発で整備された苗穂ヒラクスEAST(札幌市中央区北3条東11丁目)の1階に設置。広さは350m²で、8.3mある天井高が開放感を生み出している。
展示点数を従来店舗から減らして空間展示を強化。実際の住宅のようにLDKと水回りをつなげた展示で完成後を想像しやすくしたほか、給排水を設けて水を出したり食器洗浄機を稼働させたりすることができる。駐車場も用意した。
北海道支店の高崎直人支店長は「道内は新築の市場が強く、リフォームへの意識が薄い」とみる。外壁や屋根が傷みやすい地域柄から、水回りへのリフォームに手が回っていないと考える。「札幌にはまだまだ市場があるため、リフォーム需要を掘り起こす」と意気込む。
野口俊明専務執行役員は、新築に比べ売り上げ全体に占めるリフォームの割合が低いことから「(キッチンなどは)壊れない限り更新しなくて済む。快適で便利になる提案を積極的にしたい」と話す。
また、分譲マンションには住戸の一斉供給に伴う商品グレードの制約があることから、リフォームで上位グレードに入れ替える客層の獲得も狙う。
野口専務は、移転したことで目的を持って来るユーザーの割合が増える点を重視。「短時間でお客が望む話ができる。集客率より決定率を上げる」と見据える。