千歳市の山口幸太郎市長は、Rapidus(ラピダス、本社・東京)の最先端半導体工場新設に伴い、庁内の組織体制を強化する考えを示した。建築工事やインフラ整備の協議・支援に積極的に取り組むとした上で、「支援体制を構築し、横断的に情報を共有。円滑な事業推進へ全庁挙げて取り組む」と述べた。関連企業誘致も進め、地域の活性化を図る。
10日の第1回定例市議会一般質問で、山口康弘氏(自民党議員会)に答えた。
工場は市工業団地の千歳美々ワールドに建設し、2025年前半の試験生産、20年代後半の量産開始を見込む。
投資規模5兆円に対し「過去最大級の投資。固定資産税など税収増加を期待するが、具体的な効果を注視したい」と話した。
工場建設で、多くの作業従事者が市や周辺自治体に一定期間滞在することを想定する。宿泊施設の充足状況を注視しつつも、宿泊業界や飲食業界への経済効果に期待を寄せた。
工場建設を「市が大きく発展できる最大のチャンス」と捉え、国や道と密接に連携する姿勢を表明。半導体製造装置や材料、製造過程でのメンテナンス、サービス業といった関連企業誘致にも取り組み、産業集積や人口増加、新たな技術開発などさまざまな分野の活性化を目指す。
このほか、工場以外に研究施設や教育機関などを併設する半導体パークの構想が同社にあること、工場が公立千歳科学技術大の学生にとって魅力的な就職先の一つとなることを説明した。