苫小牧市が市民文化ホール着工
胆振管内11市町の2023年度予算案が出そろった。総額は前年度当初比3.4%増の3869億102万7000円。一般会計は5.2%増の2321億5265万7000円となり、同会計に占める普通建設事業費は24.3%増の326億9668万円となった。首長選に伴う骨格編成の市町が多いものの、各自治体が緊急性の高い事業や継続事業への予算配分をしたため、普通建設事業費は大きな伸びを示した。
室蘭、伊達、壮瞥、白老の4市町が骨格編成とした。
普通建設事業費は室蘭、苫小牧、登別、伊達、豊浦、壮瞥、厚真の7市町で伸びた。苫小牧市が市民文化ホール、室蘭市が市営住宅東町たいわ・汐見団地建て替えの5号棟にそれぞれ着工。壮瞥町が壮瞥中の校舎と屋体の移転建て替えに着工する計画だ。
一方、安平町やむかわ町は大きく減少した。安平町は早来学園新築が概成し、むかわ町はししゃもふ化場の整備が22年度に完了したことが要因となった。
室蘭市 骨格編成だが入江運動公園陸上競技場改修や同公園テニスコート整備など必要と判断した事業を盛り込んだ。東町たいわ・汐見団地建て替えの5号棟に着工。イオン新店舗周辺の市道3路線改良事業に着手する。普通建設事業費には西いぶり広域連合の新中間処理施設負担金を計上した。
苫小牧市 市民文化ホールの着工費などを盛り込んだため普通建設事業費は17.3%増加。同ホールには23年度事業費として約13億円を措置した。このほか、樽前小改築やウトナイ小校舎増築、市住日新団地新2号棟新築など大型建築案件の着工を多く控えている。
登別市 社会福祉法人彩咲会の認定こども園整備、JR北海道が事業主体となるJR登別駅エレベーター等設置にそれぞれ3億円を補助する。市役所本庁舎建設と幌別児童館統合整備は実施設計に着手。消防本部新庁舎建設を継続する。
伊達市 骨格編成だが継続事業に配慮した。館山下町の農業用温泉掘削は南側に土地を取得して泉源を追加する。街路の南大通拡幅は道路部に着工。伊達小校区内の放課後児童クラブ専用施設新設へ実施設計に入る。市役所本庁舎再整備は検討委員会を設置し、2カ年かけて協議する。
豊浦町 ふるさとドーム膜屋根張り替え、天然豊浦温泉しおさいの維持補修関連工事を盛り込んだ。公住ストック総合改善は大岸第1、浜町、船見第3で長寿命化改善に取り組む。簡易水道は美和地区で新水源候補地が見つかったことから、上屋新設に向けて基本設計に入る。
壮瞥町 壮瞥中移転建て替えに着工する。RC造、2階、延べ3293m²の規模で基本設計を完了。引き続き実施設計を進め、8月にも校舎、屋体を一括して主体を指名する。鶴雅リゾート洸の謌の社宅建設に補助。弁景温泉供給施設高効率化改修や団体営農業集落排水強靱化型仲洞爺地区に着工する。
白老町 町長選に伴う骨格編成だが、町立国民健康保険病院改築の着工費を盛り込んだため、総額は15.7%増加した。多機能型生活館(新白老生活館)整備にも着工。予算案には2億8750万円を措置した。
厚真町 宅地耐震化推進にかかる事業費が前年度より増額になったことなどから、一般会計は16.8%増加。幌内地区環境整備に着手するほか、防災備蓄倉庫新築の実施設計に取り組む。
洞爺湖町 本町保育所と入江保育所を統合する保育所統合施設の基本設計に着手する。旧ホテル洞爺サンシャイン解体は実施設計、給食センター統合改修は基本設計に入る。ホテルは2カ年かけて解体する考えだ。本庁舎長寿命化は屋上防水改修を予定。洞爺湖温泉大通線改良は新工区に着工する。
安平町 早来学園新築がほぼ完了したため、普通建設事業費は大きく減少。23年度は同学園に関連したグラウンド整備や早来小解体などを進める。24年度に着工予定の早来町民センターの大規模改修へ実施設計に取り組む。
むかわ町 ししゃもふ化場の整備がおおむね完了したため、普通建設事業費は減少した。穂別地区での復興拠点施設等整備に向けた穂別地球体験館の解体などに2億6322万1000円を措置。町道橋梁整備事業には2億1820万円を計上した。