函館開建は14日、国道278号尾札部道路の函館市豊崎町から史跡がある大船遺跡までの500m区間を、25日午前9時に開通すると発表した。ユネスコ世界文化遺産である同遺跡へのアクセス向上や、津波からの避難経路としての効果などを期待している。

観光や防災・減災への効果が期待される尾札部道路(函館開建提供)
尾札部道路は、函館市尾札部町と同大船町までを結ぶ延長14.8kmのバイパス。1989年度に着工し、2011年度までに尾札部町―豊崎町間11.9kmが供用した。
現在は豊崎町―大船町間2.9kmを推進中で、このうち500m区間が完成した。区間内の構造物としては延長約120m、3径間連結PCコンポ橋の大船大橋がある。
開通によって、従来は278号の現道から急勾配や急カーブのある市道を経由する必要があった大船遺跡へのアクセスが改善。尾札部道路から直接、遺跡に訪れられるようになる。函館市も沿道に駐車場を新設し、受け入れ体制の強化を図る。
道路の高さは31.4mで、津波浸水時の一時的な避難場所としての機能も想定。津波浸水想定区域を回避することで、救援物資の輸送ルートとしても役立つとしている。
開通に当たっては、式典などは予定しておらず、午前9時から通行可能になる。(函館)