普通建設事業費375億円 オホーツク管内18市町村23年度予算

2023年04月03日 16時06分

紋別高看移転などで5%増

 オホーツク管内18市町村の2023年度予算がまとまった。総額は3692億3056万円で前年度当初比(大空町が肉付け補正後比)4.3%上回った。一般会計は6.2%増の2502億4079万円。このうち、普通建設事業費は5%増の375億9747万円で、骨格編成の6町を含めた13市町で計50億円減少したが、紋別と網走の2市の増額分が上回った。

 普通建設事業費が伸びたのは5市町村のみ。紋別市が42億5635万円増で2・3倍と最も増え、次ぐ網走市は78.1%、17億8911万円増だった。紋別市は好調なふるさと納税を追い風に、紋別高等看護学院移転建て替えなどを盛り、一般会計が400億円台となった。網走市は、返礼品生産者の設備投資補助制度を創設する。

 総額は北見市が1174億円で最も多く、管内の31.8%を占める。投資的経費は、道路維持センター建て替えの本体完了などで1割減の75億7539万円となり、管内普通建設事業費の20.1%にとどまった。北見市は、端野図書館改築の基本・実施設計などで事業確保を図る。

 23年度予算の各市町村主要事業は次の通り。

 北見市 北見自治区の高栄F団地3号棟や常呂自治区の北進町団地建て替えを含む公営住宅整備に8億1640万円を投入する。25年度の着工を目指す端野自治区の端野図書館改築は基本・実施設計に入る。

 網走市 一般会計は、2年度目の新庁舎建設で17億6050円を計上し普通建設事業費が8割増。道路整備に4億2812万円、LED化などエコーセンター2000改修に4億1240万円を投じる。特別会計は、稲富地区ほか導水管布設替えに5億7860万円を充てる。

 紋別市 好調なふるさと納税を背景に一般会計は過去最大の400億円台で、普通建設事業費は2.3倍となった。市設道営方式で整備する紋別高看移転建て替えや運動公園自由広場改修に取り組む。

 美幌町 骨格編成だが総額、一般会計とも過去2番目に大きい予算額。1億499万円を充て駐車場を確保するために旧ゆうあいセンターを解体する。26年度供用を目指す第4期最終処分場実施設計に3917万円を計上した。

 津別町 普通建設事業費は、大型の建築工事を複数終えて半減したが、給食センター改築基本・実施設計を仕上げて24年度の事業を確保する。新庁舎前の駐車場整備に1億4047万円を確保した。

 斜里町 普通建設事業費は、骨格編成のため18.3%減の11億1060万1000円。朝日小長寿命化整備に2億830万1000円、青葉西2丁目通など地方道路の長寿命化に1億5000万円をそれぞれ計上した。

 清里町 一般会計に占める普通建設事業費は、骨格編成のため30%減の4億3246万9000円となった。公住改修に4057万3000円、教職員住宅修繕に947万円などを措置した。

 小清水町 普通建設事業費は33.4%減の18億7753万8000円。役場庁舎の解体や外構を含めた防災拠点型複合庁舎整備に6億7838万4000円を計上するほか、認定こども園整備に7689万円を盛り込んだ。

 訓子府町 4月に町長選を控えた骨格編成で普通建設事業費は30.7%減少。農業集落排水施設更新や公住幸栄団地の内部改修、葬斎場設備更新などを進める。

 置戸町 児童館建設に向けた基本設計費を計上。橋梁長寿命化修繕では、清流橋と川東橋の下部や支承、高欄を補修する。境野地区の雨水対策調査測量委託費も盛り込んだ。

 佐呂間町 サロマ湖展望台改修などが完了したため普通建設事業費は19%減少。浜佐呂間湖岸道路整備の実施調査設計に850万円、温水プールのタイル張り替えに2599万3000円を確保した。

 遠軽町 新庁舎建設基本・実施設計に2億1340万円、継続の子ども広場整備に4億179万4000円を充てる。3カ年計画の2年目を迎える東小長寿命化改修や町図書館改修に取り組む。

 湧別町 上湧別地区義務教育学校整備に着工するほか、老朽化に伴う芭露保育所改築の基本設計などを進める。公住建ては、花園団地と緑町団地で推進する。

 滝上町 4月に町長選を控えた骨格編成。橋梁長寿命化修繕に8250万円を充てるほか、診療所特別会計で24年度着工を計画する国保診療所建て替え実施設計費を措置した。

 興部町 4月に町長選を控えた骨格編成。南停線道路や興部浜町2号道路などを進める道路改良舗装に6270万円、興栄橋修繕などを盛り込んだ橋梁長寿命化に5700万円を計上した。

 西興部村 継続の森林公園改修整備などが盛り込まれたことから普通建設事業費は49.7%と大幅に増加。バイオガスプラントの余剰熱利用ハウス建設に着工する。

 雄武町 町道改修に8890万円、ホテル日の出岬施設整備に6396万8000円を計上。普通建設事業費は34.8%減の8億176万円となった。

 大空町 松川一正町長が初めて挑む当初予算編成。継続の庁舎改修に8億円規模を確保したほか、小中学校のエアコン完備に1億7644万円、河川防災ステーション負担金が普通建設事業費を押し上げた。このほか女満別研修会館改築に向けて基本設計に取り組む。


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