建設会社が5月の大型連休に併せて積極的な有休消化奨励 

2023年04月24日 08時00分

 4月29日から大型連休が始まる。ことしは5月1、2日を休暇にすると5月7日までの9連休になる。建設会社は、今回の大型連休に併せ有給休暇の積極的な消化を呼び掛けるとともに、まとまった連休が取れるよう配慮する傾向が見られる。人材を確保する働き方改革の推進に限らず、コロナ禍から経済再生を図るため、賃上げの実現と同時に、レジャーやアウトドア、ショッピングの機会を確保することで地域経済への貢献策を垣間見ることができる。

 各業者の対応を見ると、スーパーゼネコンを含む道外大手では大成建設、清水建設が4月29日から5月7日までの期間を休みとし、5月1、2日は計画年休日に設定。連休の谷間をつくらず9連休を確保した。鹿島と奥村組は5月1、2日を通常営業としたが、有給休暇取得推奨日に位置付け、連休は5月3日から7日までとしている。

 道内業者は、伊藤組土建(本社・札幌)が4月29日―5月7日を休暇に設定。1、2日は年次有給休暇計画的付与日としたほか、有給休暇の取得種類(半日有休・時間休)を増やし、社員のニーズに合わせて取得できるよう制度を設けている。岩田地崎建設も休暇は4月29日から5月7日までで、1、2日は指定有給付与日として休みにする予定だ。

 中山組(本社・札幌)と丸彦渡辺建設(同)の休暇は、5月3―7日。中山組は前後に当たる4月24日から5月9日まで、丸彦渡辺建設は5月1、2日を有給休暇取得推奨日としている。

 松本組(本社・函館)と森川組(同)はどちらも暦通りだが、松本組は5月1、2日を、森川組は4月24日からの1週間と5月1、2日を有休取得促進日に充てる。森川組は促進日に幅を持たせて複数人の休みが重ならないよう配慮している。

 西江建設(本社・帯広)は毎年、春の大型連休と夏休みを有休奨励期間とし、これで年間5日の有給消化をクリアしているという。ことしも電話当番などで在社する1人を除いて全員休む見通しで、現場も閉所するためほとんどが9連休となるようだ。建設コンサルタントのズコーシャ(同)は暦通りで1、2日は勤務日だが、会社として連続休暇制度を定めていて、年1回は土日を含め最大7連休を取ることを推奨している。

 村井建設(本社・釧路市)も、5月1、2日を計画年休日に設定。9連休前後の日についても休みの取得を促し、福利厚生の充実を目指す。

 新型コロナウイルス感染症は、5月に2類相当からインフルエンザと同じ5類に引き下げられる。ウィズコロナの経済回復が最優先となる中、国土交通省と建設業主要4団体は、2023年度に「おおむね5%」の賃金上昇率を目標に掲げる。建設業への時間外労働の上限規制適用まで1年となり、地域経済に消費行動で貢献するとともに、働き方改革にめりはりを付けている。


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