周辺のリゾート開発を想定 8月ごろ行政団体に移行
中富良野町は、景観計画案をまとめた。意見募集を経て、8月ごろに景観行政団体に移行し、計画策定と景観条例施行を目指す。リゾート開発が想定される北星山周辺については特別な推奨基準を設定。十勝岳など山並みへの配慮や、原色を避け自然素材の風合いを生かした外壁を促していく。
豊かな自然と風景を次世代に引き継ぐことが目的。特に北星山周辺はファーム富田など全国有数のラベンダー園があり、国内外の観光客が訪れる象徴的な場所。今後、外国人による不動産売買やリゾート開発が進むことを想定し、住民理解を得ながら、自然景観と調和した開発を誘導するため、景観条例に基づく届け出や住民説明会で理解を求める。
届け出対象となる建築物、工作物、開発行為などは、着手30日前までに届け出が必要。景観形成基準に適合しているかどうか町の審査を受ける。さらに届け出前には、町との事前協議や住民向け説明会開催が義務付けられている。
届け出対象には、高さ10mまたは延べ1000m²を超える建築物の新築・移転や、面積3000m²を超える開発行為などを挙げている。
景観形成基準は、全エリア共通の基準に加え、「北星山および周辺景観エリア」のみを対象とした推奨基準を設定した。
町全体の基準を見ると、十勝岳や富良野岳など山並みに配慮した高さや形態意匠を求め、可能な限り色数を減らした色彩を要請。敷地内では既存樹木の伐採をできるだけ避け、花壇や芝生、植栽などでの緑化を促す。
北星山および周辺景観エリアでは、屋根は1色に統一し、外壁は原色を避け、壁材として自然素材活用を推奨。十勝岳など山並みの眺望を阻害するような広告物を設けないことも求める。駐車スペースを必要最小限にするなど周辺環境への配慮も必要だ。
意見は28日まで受け付けている。