“スマートタウン”実現への一歩
上士幌町内に無人コンビニの「かみしほろマルシェ」が完成した。TKF(本社・東京)が運営し、NTT東日本(同)やテルウェル東日本(同)が協力。入場から購入までスマートフォン1台で完結する。竹中貢町長は「官民連携で実現した施設」と評価。町が目指すスマートタウンに一歩近づいたとした。
上士幌東3線235の19で、TKFが運営するガレージの一部を改装。22日にオープンした。売り場面積は約85m²。洗剤などの生活用品やインスタント食品をそろえる。
店内には新たな技術を詰め込んだ。天井にAIカメラを設置。商品に手が伸びた回数などを読み取り、購入過程を記録する。
一部商品の値札はデジタル化していて、遠隔地から値段の調整が可能。テルウェル東日本の佐々木勇蔵さんは「割引の効果分析に役立つ。将来的には対象商品を増やしたい」と意気込む。
入退場や購入手続きにはスマホアプリを活用。値札にあるバーコードを読み取り、その場でキャッシュレス決済ができる。無人販売のリスクを考慮し、防犯カメラは3台設置。アプリを使わず入退場すると、ゲートから警告音が鳴る。
町と民間企業3社による連携で実現した。人口5000人の町だが、デジタル活用の姿勢は全国的にも珍しく、佐々木さんは「ここまで意欲的な自治体は初めて」と驚く。NTT東日本の北垣雅之北海道東支店長は「町長を中心に積極的に取り組んだ結果」と話す。
今後は町民らの意見を取り入れ、磨きをかける姿勢だ。