標津町内の浄化センターの機能移管 年度内にも住民説明
根室北部衛生組合(組合長・山口将悟標津町長)は、し尿処理を担う標津町内にある浄化センターの老朽化を踏まえ、中標津町内の中標津下水終末処理場に受け入れ施設を併設して機能を移管する方向性を固めた。17日に基本計画策定を入札する。施設の概要やアクセスルートなどの課題を整理し次第、年度内にも住民への説明を開始する。
同組合は中標津町、標津町、羅臼町の3町で構成。し尿は標津町茶志骨東2線1の24にある浄化センターで処理している。能力は一日当たり最大47㌔㍑。本体は1972年度に本格供用し、96年度に汚泥の脱水や焼却、脱臭などをする焼却棟を新築した。
同組合は施設老朽化を受けて2011年度に今後の処理方法を検討。この時点で下水道との共同処理が候補に挙がったものの、まだ部分改修による延命が可能だったことから、おおむね施工後10年間の利用期間延長を目標として15、16年度に6億円余りを投じて改修した。
19年度にあらためて策定した基本構想では、単独のし尿処理場を新築するよりも、受け入れ施設を設けて下水道と共同処理する方が建設費や維持管理費を抑えられると判断。また共同処理は一定程度の下水流入量が必要となるため、3町内の処理場で基準を満たすのは中標津下水終末処理場しかないことを確認した。
基本計画は、3町の合意が形成されたことを受け発注する。国土交通省の下水道広域化推進総合事業を活用しての整備を目指す。
下水道の普及や人口減少などで処理量は減少傾向にあり、新施設の処理能力は一日当たり平均20kl、最大42.3klを想定している。
3町から運んできたし尿の受け入れ槽、前処理設備、流量調整槽、脱臭設備などを備える建屋を中標津下水終末処理場の敷地内に設ける方針。
設計や施工の時期について同組合では「地元住民の理解が大前提となるため現時点では未定」と話すが、延命化の目標年次を大幅に超越することも困難な状況にある。
理解が得られた後は中標津町が下水道事業計画を変更し、設計、施工の発注を担う見通し。同組合は負担金を拠出する。