食品輸送効率化・コスト削減へ
旭川市内の食品事業者などが共同で立ち上げた「道北集約出荷・地域配送改善プロジェクト」は、17日から路線バスを利用した貨客混載の少量輸送事業を始める。江丹別地域から道北バスの車両に食品を積み込み、旭川市街地まで輸送することで、路線バスの存続や輸送業者の集荷コスト削減に寄与する仕組みを作り上げる考えだ。

座席最前列に段ボールを積み込む

道北バス江丹別線で貨客混載輸送を始める
同プロジェクトはチーズ製造のブルーチーズドリーマー、フレンチレストランのチライなど江丹別地域の食品・飲食事業者とウェブ開発のアーグ、江丹別地域振興に携わる一般社団法人世界一の村が参加し、物流業のセイノーホールディングスが支援する。2021年度に商品をウェブで販売するECサイトを立ち上げていて、地域の物流の課題解決に向けた積み荷の集約化にも取り組むことにした。
個別に販売・配達していたチーズ、チーズケーキといった食品をまとめて道北バスの車両に江丹別バス停から積載。JR旭川駅前の2条通4丁目にある道北バス休憩所まで1時間かけて運んだ後に、輸送事業者や店舗に引き渡す仕組みだ。
バス事業者側に定期的な運賃収入を支払うことで、乗客の少ない郊外路線の維持・存続に役立てる方針。24年度の労働時間上限規制やドライバー不足といった課題を抱える物流事業者にとっては、時間のかかる郊外への集荷コストを省けるほか、トラックからのCO排出量の削減も図ることができる。
17日には段ボール8箱分を出荷し、その後も月2、3回程度の定期輸送を予定する。将来的には事業者と輸送品目の拡大を目指すほか、江丹別以外の地域からの集荷などさらなる展開も検討していく。