ICT施工にも対応
藤建設(本社・稚内)は、ICT工事に対応できる施工管理システムを搭載した全旋回式浚渫兼起重機船・ふじFC―26と押船兼作業船兼交通船・第十ふじ丸を建造した。16日には船上で安全祈願祭を開き、藤田隆明社長は「宗谷管内はもとより、各地域の港湾、漁港、沿岸整備に大いに活用し、皆さんの信頼を得られるよう一層努力する」と決意を語った。
同社にとって1997年以来26年ぶりの新造船で、起重機船としては13隻目。2022年3月から建造を進め、1年かけて完成させた。ふじFC―26の船体部は長さ55m、幅20m、積載可能重量1200tの規模。最大吊り能力は主巻が210㌧、補巻が31tとなっている。
船内にはICT工事に対応する施工管理システム・SV―Naviを搭載し、GNSSからの位置情報や方位情報の取得、船体傾斜データ、喫水データを取り込める。リアルタイムで正確に作業船の位置を把握できるほか、施工実績データの3次元管理も可能だ。
また、船体を迅速にセットできるピンローラー式スパッドをはじめ、主巻ドラムには魚礁沈設作業用多層巻対応深度計を装備。船尾操船ウインチ周囲の状況を監視するカメラを2台設置し安全面にも配慮した。
安全祈願祭には約30人が出席。神職による祝詞奏上の後に、藤田社長らが玉串をささげた。5月下旬の礼文島金田岬沖での魚礁設置工事が初仕事となる見通しだ。(稚内)