工事費最大7.4億円試算
浦河町は、旧JR浦河駅周辺整備基本構想の素案をまとめた。旧駅舎とその周辺を観光拠点や国道利用者の休憩拠点として再編する方針で、商業施設など3施設の新築や線路を生かしたトロッコルートの整備を想定。4パターンを提示し、工事費は最大で7億4000万円を試算する。

旧浦河駅。利活用で地域活性化を目指す
2021年4月に廃線となったJR日高線鵡川―様似間の旧浦河駅駅舎と周辺エリア7800m²が再整備の対象。駅舎(W造、平屋、延べ117m²)の保存と鉄路の活用で観光客誘致や地域活性化を図る。
基本コンセプトとして、旧駅舎やプラットホームを交流拠点として再生し、隣接地に物販販売・観光案内ができる施設やトイレを設置する方針を掲げた。国道235号への接続道路や駐車場、歩道のほか、海岸や昆布干しといった地域特有の風景を楽しめるトロッコ、散策ルートも整備する。
整備4案いずれも、観光案内所、商業施設、トイレの新築を想定。プラットフォームや旧防波堤は残し、駐車場内で大型車と一般車の動線を明確化する点も共通する。
各案の特徴を見ると、第1案は国道から旧駅舎や観光案内所へのアクセスを重視し、駐車場と広場を一体化するパターン。56台分を確保するほか、線路は一部残して気動車を展示する。概算工事費は土木3億3000万円、建築1億8100万円としている。
第2案は、駅舎周辺に約600mのトロッコルートを整備する構想。歩行者との接触を避けるため踏切を設置し、広場に気動車を展示する。駐車場は49台分とする。概算工事費は土木3億2400万円、建築1億8100万円とした。
第3案は、線路や跨線橋の保存とライトアップで鉄道の歴史を感じる空間の創出が特徴。駐車場は51台分を整備する。概算工事費は土木3億2200万円、建築1億1800万円とする。
第4案は、景観に配慮しつつ旧駅舎前にオープンスペースを設け、施設を結ぶ動線上にキャノピーを造る。駐車場は61台分を確保し、概算工事費は土木5億5900万円、建築1億8100万円とする。
素案を基に旧駅周辺利活用検討会議で複数回協議し、4案をたたき台にした利活用案をまとめる。駅舎や用地の譲渡、具体的な整備の時期は今後固める。