脱炭素へ来秋にも事業着手
ジャパンブルーカーボンプロジェクト(本社・東京)と釧路ガス(同・釧路市)は、釧路西港沖でブルーカーボン推進に向けコンブの藻場をつくる「釧路ガス昆布の森」事業を構想している。コンブの成長を見極める実証実験を進めていて、成果が得られれば2024年秋にも事業着手したい考えだ。
ジャパンブルーカーボンプロジェクトは、22年3月に西港でオニコンブを増やすため、雑海藻駆除とコンブを付着させたロープによる2つの実証実験をした。雑海藻駆除ではうまくいかなかったが、ロープでは一定の成長が確認できた。
5月30日に、ロープ実験で用いたコンブが付いたブイ5個を漁船で設置。来春にコンブの十分な成長が確認できた場合、釧路ガス昆布の森事業をスタートする。
構想では沖合までの400mを対象に50m間隔でコンブのブイを設置し、二酸化炭素の吸収を促進する。将来的なブルーカーボンクレジット化も見込まれる。
ジャパンブルーカーボンプロジェクトの吉川京二社長は「ブルーカーボンは道内、全国で注目されている。道のブルーカーボン推進協議会の取り組みの一環でもあり、地域活性化の戦略になる」と期待する。
釧路ガスの長島保典常務は「脱炭素社会の実現に向けた取り組みを推し進める。微力だが、まちや未来の子どもたちのため地元企業として貢献したい」と話した。

吉川社長(右)と長島常務