北海道商工会議所連合会と北海道建設業協会、建設産業専門団体北海道地区連合会は、23日午後1時半から札幌市内の道経済センターで、人材確保に向けて中高生や大学生の保護者と懇談する。保護者から建設業に対する率直なイメージを聞き取り、労働環境や魅力について理解を深めてもらう試み。建設業のPR漫画「ただいま工事中」を共同製作した3団体が取り組む第2弾のプロジェクトとなる。
保護者は、中高生や大学生の息子を持つ母親を中心に6―8人が参加する予定。3団体の代表者らをはじめ、道建設部や道教育委員会の担当者と意見交換する。
道建協の地方組織である札幌建設業協会が2014年3月に札幌工高の生徒を対象に実施したアンケートの結果によると、進路に関する相談相手は母親が3割と最多だった。生徒や学生の進路選択で影響力が強いことから、人材確保には母親の理解向上が必要と考えた。
企画を提案した道商連は「現場見学会などに参加した生徒のアンケートを見ると、『現場で働きたい』という意見が結構あるが、実際の就職活動には結び付いていない。保護者の意見をじっくり聞く必要があると考えた」(業務推進部)と話す。
人材難の背景として建設業関係者は「この数年の建設市場悪化で、賃金や給料の低さなど労働条件のイメージ低下が定着したせいではないか」と嘆く。工事量の回復で受注額や工事単価は適正に戻りつつあるが、人手不足は解消されないままだ。
懇談会では、行政による建設業への支援策や業界の労働環境改善に向けた取り組みを説明しながら、建設業に対するイメージを保護者に発表してもらう。率直な意見を交わして接点を探る。
3団体は直面する人材問題の解決に向け、14年5月からPR漫画の共同製作に着手し、同10月に完成させた。今回の保護者との懇談は第2弾の取り組み。道商連は「道内の各地域や企業の取り組みの参考になれば」と期待を寄せている。