北洋銀行が8日発表した2014年10―12月期の道内企業経営動向調査結果によると、全産業の業況を表すDIは売り上げがマイナス14、利益がマイナス21でともに前期から悪化した。木材・木製品や鉄鋼・金属製品・機械、建設業などで前期のDIを下回った。来期(15年1―3月)も悪化する見通しだ。
売り上げ、利益ともに3期連続で2桁のマイナス水準となった。調査した北海道二十一世紀総合研究所は「比較対象としている前年同期は消費税増税前の駆け込み需要があった時期のため、その反動だと捉えられる」と説明。景気の持ち直し基調に変わりはなく、今回の結果を悲観する必要はないとしている。
全産業のDIは、前期に比べ売り上げが3ポイント、利益が4ポイントそれぞれ低下した。製造業は売り上げが12ポイント低下のマイナス18、利益が18ポイント低下のマイナス25、非製造業は売り上げが横ばいのマイナス13、利益が1ポイント改善のマイナス20だった。
製造業は、食料品が売り上げ、利益ともにわずかに改善した一方、木材・木製品が住宅着工の減少、鉄鋼・金属製品・機械が原材料費や電気代などのコストアップによりそれぞれ悪化した。特に鉄鋼・金属製品・機械の悪化幅が大きく、売り上げ、利益そろって前期のプラス水準からマイナスへと転じた。
非製造業では、小売、運輸、ホテル・旅館の3業種が改善傾向を示したものの、建設、卸売の2業種は悪化の色合いを強めた。建設業は、7月以降の公共工事発注量の減少が影響し、売り上げが2ポイント低下のマイナス3、利益が8ポイント低下のマイナス16となった。
経営上の問題点として全産業で最も多く挙げられたのは原材料価格の上昇で、これに諸経費の増加、人手不足、売り上げ不振、過当競争、人件費増加が続いた。
建設業では、人手不足との回答が最も多かった。建設業の企業からは「工事受注量は増えているが、依然として人手不足が続いているため下請けに対する外注費がかさみ、利益は減っている」との声が聞かれた。
来期の全産業のDIは、売り上げが11ポイント悪化のマイナス25、利益が6ポイント悪化のマイナス27とそれぞれ悪化を見込む。前年の1―3月も消費増税前の駆け込み需要が見られた。建設業は売り上げが12ポイント悪化のマイナス15、利益が6ポイント悪化のマイナス22となる見通しだ。
調査は昨年11月中旬から12月上旬にかけ、道内の取引先697社を対象に行い、63%の439社から回答を得た。建設業は92社が回答した。