傾倒式雪崩予防柵で山側の除雪を効率化-寒地土研が考案

2015年01月29日 19時24分

 寒地土木研究所は、雪崩予防柵の除排雪作業を効率的に行える技術を研究している。固定された従来の垂直式雪崩予防柵とは異なり、柵が谷側に倒れる機構を考案。人力で作業負担が大きかった背圧領域(柵の山側)の除雪を円滑化する。可動は柵を支える支柱の下部に軸構造を設計するなど、重機でけん引して柵を傾倒・起立する仕組み。既設の垂直式柵を改良して導入できる。

 雪崩災害を未然に抑えるため、積雪寒冷地の道路法面には局部的に雪崩予防柵が設置されている。柵が設置された法面では、降雪量に応じて一冬に数回、除排雪が行われているが、従来の柵は垂直に固定されているため、柵の山側に積もった雪の排除は人力作業に頼っていたという。

 作業員の確保や高齢化が課題となる中、これらの改善に向けて寒地土研は、傾倒式雪崩予防柵を考案した。機械施工の部分を広げて背圧領域の除排雪を効率化。除排雪コストの削減にも寄与する。

 研究では、仮設斜面の積雪条件下で6種類の傾倒式雪崩予防柵の傾倒・起立動作、作業性を確認。装置は支柱の下部に軸構造を設け、サポートと呼ばれる柵の山側下部に付けられた柵支持部材や、支梁材を緊張させる支持ロープなどで構成する作業性の高い構造を検討した。ロープなどを外すと柵が谷側に90度倒せる仕組みで、各部材は既設の柵でも交換して傾倒式に改良できる。

 2種類の試作機を2基ずつ国道の法面に設けて基礎実験し、一定の手応えを得た。傾倒式雪崩予防柵は除排雪の実態に合わせて、法面の最下段で用い、既に設置されている垂直固定式予防柵の全てを更新するのではなく、地形条件や堆雪状態などによって必要と判断された箇所に用いるイメージだ。

 除排雪作業時には、谷側に積もった雪を除き、重機の足場を確保する。柵の傾倒・起立はクレーン仕様のバックホーで実施。表層雪崩を誘発しないように1基ずつ徐々に倒す。積雪深によって荷重が異なるため、必要に応じて補助ワイヤやレバーブロックなどの補助用具を用いる。

 今冬、国道法面に導入し、作業性や導入効果を確かめる。


関連キーワード: 新技術 除排雪・雪対策

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