道セキュリティ事業協組が20年の五輪見据え東京本部開設

2015年02月06日 19時10分

 道内中小の警備、建物サービス会社でつくる北海道セキュリティ事業協同組合(伊林好代表理事)が、2020年に開かれる東京五輪の需要を見込み、昨年11月に東京事業本部を開設し、道外での業容拡大を進めている。中小企業が連携することで最高ランクの資格を有し、業績の向上により各社の経営安定化に貢献している。

 同協組は05年12月に設立。札幌を中心に旭川や函館、三笠、釧路市に本社を置く警備、建物サービス、総合サービス、消防設備点検の計18社で組織する。本部の札幌をはじめ、道央、空知、道東、道北、道南に5支部がある。

 本道の警備・建物サービス団体としては07年に初めて官公需適格組合の証明を取得し、道内全域で受注活動を展開。14年度は民間企業からの受注を含め、過去最多となる1億5000万円の受注額を達成した。

 国の入札参加資格は、組合員単体なら4等級のうち平均してCランクにとどまるが、18社の総資本は3億6870万円、総売上高は104億4004万円(14年度)に上り、Aランクの要件である資本金3億円以上、売上高50億円以上を満たす。これまで札幌第2合同庁舎管理や新千歳空港保安警備、札幌高裁合同庁舎警備、桧山振興局合同庁舎清掃、札幌医大清掃など、大規模で特殊な業務の受注に成功している。

 信頼と実績を積み重ね、08年には厳格な対応が要求される北海道電力の泊原子力発電所3号機新設保安警備と、各国首脳を警護する北海道洞爺湖サミット留寿都メディアセンター会場警備を任された。10年には横浜市で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の警備を請け負うなど組合の名が知れ渡った。

 東京事業本部を設置した伊林代表理事は「5年後の東京五輪開催に伴う首都圏での警備需要や国の入札案件の取得を目指す。組織の拡充を図り、業容の拡大を果たす」と宣言する。

 五輪開催時に必要となる警備員は1万4000人から1万5000人と推定されている。ことしからは開催準備のインフラ整備や再開発が本格化するほか、競技場建設が着工し、工事関係の警備需要が急増するとみられている。

 同協組は東京進出と同時に、国の入札参加資格の競争地域を変更した。本道と関東甲信越だけでなく、東北、東海、北陸、近畿まで延ばして認可を受けている。高松輝雄専務理事は「大企業と同等の立場で関西圏まで営業展開する。道内では今後も道や札幌市などの入札制度改革を積極的に提言していきたい」と抱負を語る。

 10日午後6時から札幌すみれホテルで創立10周年記念式典を開く。来賓や組合員ら100人が出席し、さらなる飛躍を誓い合う。


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