建設業の求人復活背景に工高土木科の人気高まる

2015年02月17日 19時22分

 道内公立高校の2015年度出願倍率で、工業高校土木科(一部は環境土木科)が前年度を0.1ポイント上回る1・2倍となった。工高全学科の倍率は1・1倍と前年度並みだが、建設市場の復調などを背景に函館工高の1・6倍や旭川工高の1・4倍など土木科の人気が復活した格好。ただ、公務員志望や進学を希望する生徒も多く、高卒者をめぐる人材獲得は厳しさを増している。

 工業高と工業系の学科を置く道内公立高は現在、16校ある。土木科や建築科、電気科など計55学科の定員2600人に対し、15年度入学試験出願者は2764人で、倍率は1・06倍。前年度の1・11倍とほぼ同じ傾向となった。

 このうち土木科と環境土木科がある工高7校を見ると、定員320人に対し、386人が出願。倍率は1・2倍となり、前年度を0.1ポイント上回った。函館工高は1・3倍から1・6倍、旭川工高が1・1倍から1・4倍に伸びたほか、札幌工高と帯広工高が各1・3倍、苫小牧工高が1・1倍。半面、釧路工高は1・0倍と伸び悩み、室蘭工高は定員割れの0・7倍だった。

 急増の要因として旭川工高は「地元建設業の求人がここ2、3年で復活し、保護者の理解が深まったのではないか。在校生に2級土木施工管理技術検定試験を受験させているが、14年度に合格率100%を達成した効果もあったと思う」(土木科)と話している。

 また、建築科(一部・建築システム科)がある工高8校の定員360人に対する出願者は416人で、倍率は1・1倍。前年度と同じだが、函館工高1・5倍、苫小牧工高1・4倍、旭川工高1・3倍、札幌工高1・2倍などが狭き門となっている。

 土木科と建築科を統合した建設科を配置する工高2校は、小樽工高が1・1倍、北見工高が0・9倍と明暗が分かれた。

 電気科(一部・電気システム科)の工高12校は、600人の定員に出願者は549人にとどまり、倍率は0・9倍と前年度を0.1ポイント下回った。1・3倍の函館工高と旭川工高、1・1倍の札幌工高と札幌琴似工高、帯広工高の5校が定員を上回った。

 一方、農業土木工学科の農業高校2校は、帯広農高が1・3倍、岩見沢農高が0・9倍で、どちらも前年度を下回っている。

 学校関係者によると、長引く景気低迷や少子化の影響を受け、生徒は生活水準の安定や地元での定住を求めて自治体への就職を志向する傾向が強いほか、大学や専門学校への進学も根強い人気がある。学力が一定基準を満たせば、北大や室蘭工大、北見工大と道内国立大への推薦枠があるのも職業校の魅力だ。

 工業系大学の新卒者を確保するのが難しくなる中、地元建設業者だけでなく、準大手ゼネコンや大手建設コンサル業者も高卒者に水を向け始めている。

 北海道建設業協会の坂敏弘副会長は、このほど開かれた人材に関する行政機関との懇談会で「高校生の採用が厳しくなっているが、労働環境の改善とイメージアップに努めたい」と話し、若年者の確保に全力を注ぐ考えを示した。


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