たいせつ農業協同組合(旭川市東鷹栖1条3丁目、柿林孝志組合長)は、鷹栖町内のライスセンター増強を計画している。機械設備を大幅に更新・導入し、処理能力を現在の倍に拡大する。4月にも業者選定の一般競争入札を公告し、5月に着工。2016年3月の完成を目指す。工事の分割については交付決定後に詳細を詰める。総事業費は約6億1300万円。農山漁村地域整備交付金を活用して町が助成する。
鷹栖町13線13号にあるライスセンターは、コメとムギの乾燥調整施設。毎年9―10月ごろの60日間稼働し、年間3000㌧のコメを処理している。同7線11号の大ロットを扱うライスターミナルとは違い、農家の需要に合わせて柔軟に受け入れる小ロット処理を特長とする生産拠点だ。
1時間当たり4㌧処理できるもみすり調整装置を2基から3基に増やし、遠赤式乾燥機1基や容量12㌧の玄米タンク5基を新たに導入。このほか、粗選機、軽量機、搬送機、全自動式自主検査装置、フレコン計量器などを更新・導入する。これにより、現行の倍に当たる年間6000㌧の出荷を可能にする。
また、1日の稼働時間を従来の11時間から14時間に引き上げ、稼働日数を40日間に短縮することで、収穫後の貯蔵期間を短縮。より新鮮な状態で出荷できるほか、保管場所の確保で苦労している農家の負担を軽減する。
鷹栖町の農地区域は、たいせつ農協とあさひかわ農協に分かれていることも影響し、これまで町産米の固有ブランドはなかった。ライスセンターの施設増強によって、現在あさひかわ農協で扱っている同町北野地区のコメも一括して、たいせつ農協で受け入れ可能となる。今後は固有ブランド米の生産拠点としての確立を目指し、地域農業の活性化を図る考えだ。