札幌都心部の新築オフィスビル供給が一時的にストップする。2010年度以降、毎年1、2棟ペースでビルの竣工が続いていたが、15年度は、リーマンショックが影響した09年度以来のゼロとなる。16年度以降は大型のビルが再び竣工する予定だ。
都心部では10年度に北洋大通センタービル(大通西3)、11年度に日通札幌ビル(北3西2)と札幌北ビル(北7西2)、13年度に大通西4ビル(大通西4)、14年度に札幌三井JPビルディング(北2西4)と明治安田生命札幌大通ビル(大通西3)が竣工。札幌北ビルの供給は12年度に入ってからだったため、15年度の竣工ゼロは実質的には6年ぶりとなる。
新規の供給がない15年度は、ビルの空室率が一段と下がる可能性が高い。既に需要の多い大型のビルには空きがなくなってきている。オフィス仲介の三鬼商事札幌支店では「15年度は中小ビル中心の市場になる」と予測する。
ただ、16年度からは大型物件の竣工が再び出てくるとみられる。具体的には札幌信用金庫本店と商業施設の札幌ゼロゲート(仮称)が入る共同ビル(南2西3)、越山ビル、フコク生命駅前通ビル、札幌ビルディングの3棟からなる複合ビル(北2西3)が該当する。
28階建てのビルを整備する創世1・1・1区北1西1地区や、高層マンションを柱とする北8西1地区の再開発も間もなく動きだす。このほか、1972年の冬季五輪に合わせて建てられたビルの多い札幌駅前通沿いでは、札幌大同生命ビル(北3西3)の建て替えも計画されており、着工に向けた準備が進んでいる。