札幌副都心の再開発が始動へ-団地跡の活用案プロポが今秋にも

2015年04月09日 19時33分

 札幌市の副都心、新札幌の再開発がいよいよ動きだす。札幌市都市局は、下野幌G団地の跡地活用案を公募型プロポーザルで今秋にも公告する。再開発で駅周辺地区ににぎわいを生み出せるのか、プロポの行方に関心が集まりそうだ。

 新さっぽろ駅周辺地区は、JR新札幌駅と地下鉄東西線新さっぽろ駅を擁し、新千歳空港からの玄関口であるとともに北広島市民や江別市民なども訪れる。青少年科学館や体育館など公共施設も整っている。

 地区内では下野幌G、H、I団地の建て替えに伴う集約化が進み、G、I団地が余剰地となる。面積は4・9ha。さらに、札幌副都心開発公社が所有し暫定駐車場として利用しているA―Cの区画も合わせると、駅周辺という好立地にある6・9haもの広大な土地を再開発に使うことができる。

 市はこの希少な機会を捉え、地区の活性化に向けたまちづくりを一体的に進めようと、新さっぽろ幌駅周辺地区まちづくり計画を3月に策定した。計画期間は2015―24年度の10カ年。

 初年度となる15年度は、まず厚別区厚別中央1条5丁目に位置するG団地を解体。既存の5棟全てが対象で、規模はいずれもRC造、5階、延べ床面積は合わせて延べ約1万3350m²となっている。4月下旬にも公告し5月下旬―6月上旬ごろ着工、10月末ごろの完了を目指す。

 その後に公告する跡地活用プロポでは、学校や多目的ホールなど文化・教育機能を中心とした上で、住居や商業、業務機能の集積を図る再開発案を求める。ただ、プロポ実施に関する費用は当初予算で確保されていないため、新市長就任後の補正計上が前提となる。

 余剰地となるもう一方のI団地は、16年度に解体する。同年度にJ、Bの区画とI団地との間を通る道路を一部廃道、移設し、Iの跡地とJ、Bを合わせたI街区として造成する予定。プロポ実施に当たっては、これらの一体的活用案を募る方向で検討している。約700m²あるJの区画は民間の銭湯業者に貸し出しているが、I団地の居住者退去に伴い銭湯も閉鎖する見通し。

 I街区全体は商業や新規開発ゾーンと位置付け、既存商業地と競合しない多様性のある施設整備を求めることにしている。


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