北海道建設業信用保証は15日、2015年第1四半期(1―3月)の道内建設業景況調査結果を発表した。地元建設業界の景気を示す業況等の景気判断指数(BSI値)はマイナス7・5で、2期連続のマイナス。公共工事の減少に伴い受注工事量の確保が難しくなり、厳しい結果となった。15カ月予算ではないこともあって、来期(4―6月)は「悪い傾向が強まる」と判断。収益は大幅な減少を予想している。
道内建設業者を対象に四半期に1度実施している景況アンケート調査。今期は土木、建築、土木建築、設備業者を対象に15年3月に調査し、計262社が回答(回答率93.2%)した。BSI値は「良い」と答えた企業割合から「悪い」と答えた企業割合を引いた数値。
業況等BSI値は14年第4四半期(10―12月)に続くマイナス。北海道開発予算の増額と15カ月予算が編成された13年第2四半期(4―6月)から6期連続でプラスを保ったが、回復傾向を支えてきた補正予算の減額で後が続かず、工事量が底をつく現状を反映した。
受注総額のBSI値は、官公庁工事がゼロ国債工事などの発注でマイナス8・5と減少傾向がやや弱まったものの、民間工事は減少傾向のまま。半面、資金繰りは容易傾向に転じ、銀行などの貸し出し傾向も容易傾向が続いている。
受注工事の減少を受け、資材調達のBSIはプラス0・5と、12年第3四半期(7―9月)以来10期ぶりに「容易」に転じた。建設労働者の確保は14年第3四半期(7―9月)以降、困難な傾向が薄らぎ、賃金の上昇傾向も弱まった。
来期は、業況等がマイナス12・5とさらに悪化する見通しを示している。受注総額は官公庁、民間工事とも減少傾向がやや強まると予測する。中でも収益はマイナス17・5と、今期を11ポイント下回るとみている。
北保証の吉田義一社長は来期の収益について「過去に10ポイント以上の下げ幅はほとんどない。かなり悲観的な見通しだ」と指摘。その理由として「前年度は補正予算の繰り越しが約1000億円あったが、本年度はほとんどない。本年度の公共事業費は前年度に比べて10%減少すると予測している。各企業の危機感が調査結果に出たと考える」と分析する。
経営上の問題点は「人手不足」が変わらず1位だが、「人手不足の重みは下がり、下請けの確保難も下降している。反対に受注の減少と競争激化が比重を増してきた」(吉田社長)と過当競争の再燃を懸念している。