札幌市水道局は水道工事に関わる舗装の本復旧分で、冬季にかかるものは当初設計から分離し、翌年度に別途発注する。同局発注分の2015年度土木工事約200本のうち、条件に合う10―20本程度を関係者と協議した上で適用する。
本復旧分の分離はこれまで、設計者の裁量により一部で実施していたが、2014年度の入札不調実態調査アンケートを受け、局として取り組む。気温が低い冬季の舗装復旧は温度管理が難しいことや、追い込み期で下請けとなる職人確保が難しい事情に配慮した。
温度管理では、運搬中に温めたアスファルトが冷えたり、作業路面を温めたりする必要があるなど冬季特有の問題を解決するため、職人側の負担が大きいとする声が業界から挙がっている。
また、冬場は工期末が迫ることから、職人を分散して配置することが夏場に比べて難しい。水道、下水道、道路工事などでの舗装が一時期に集中しやすく、職人確保が困難であるという事情もくみ取った。
工期が冬にかかる工事で、道路管理者や周辺住民から本復旧先送りの同意を得たものに限り適用する。設計時に個別に対象工事を洗い出す。
同局が工期を設定できる工事は、9月末までの発注を基本としているため、他部局や民間工事との関連で進める配管などのうち、1―3月に竣工を迎えるものが中心となる見込み。
1件当たりの復旧範囲が小規模な案件は、複数件まとめて発注することも検討している。