札幌市が保養センター駒岡を大規模改修ー8億円投じ来春オープン

2015年04月23日 19時16分

 札幌市は2015年度、保養センター駒岡を大規模改修する。初弾となるバリアフリー等改修主体は来週にも成績重視型で、追って強電を成績重視型、空調、衛生、弱電、エレベーターを制限付きでそれぞれ公告。工事費には約8億円を見込み、16年2月の完了を目指す。

 南区真駒内600の20にある同センターはRC一部S造、地下1地上2階、延べ4789m²の規模で、1986年に建設。高齢者の保健・休養、交流促進の場として浴場や客室、レストラン、研修室などを備え、熱帯植物館と屋内パークゴルフ場を併設している。

 10年の札幌版事業仕分けでは、多額の修繕費を要する上、民間が担える分野であるといった観点から廃止と判断。しかし市民からは存続を求める署名が寄せられ、市議会でも存続を求める陳情書が全会一致で採択された。

 これを受け、市は有識者で構成する検討委員会で協議を重ね、民間施設では担うことが難しい役割を果たすことが期待できるとし、施設存続を決定。この判断を踏まえ、13年には活用基本方針をまとめた。

 存続に向けた工事では、経年劣化に伴い老朽化した外壁・内部や屋上防水を改修するほか、内外建具、空調、給排水、電気、エレベーター2基を更新。また、利用が多い高齢者や障害者に配慮して、浴場や洗い場への手すり設置、客室内トイレの段差解消などバリアフリー化を図る。

 客室改修では、日帰り利用を想定したバリアフリー対応のユニットバスを設けた貸し切り浴室とするため1室を転用。バリアフリー対応のトイレとアプローチを備えた客室は、既存の2室から計6室に増やす。

 検討委員会でも不要と判断された熱帯植物館(S造、平屋、延べ578m²)と屋内パークゴルフ場(同、延べ469m²)の解体は改修主体に含む。これらの跡地は利活用を考えているが、オープン後に地域住民らと共に検討していく。

 現在は社会福祉法人札幌市社会福祉協議会が指定管理者を務めているが、改修に伴い5月で業務を終了。工事に備えて6月から3月末までは休館する。

 16年4月を予定するリニューアルオープンからの指定管理者は、ことし夏から秋にかけて公募することにしている。


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