岩田地崎建設は22日、2015年3月期決算を発表した。業績が堅調に伸び、売上高は前期を12.7%上回る642億8300万円と07年度の合併以降、2番目の金額を記録した。経常利益は15億円と最高益を出し、2年連続の増収増益を達成した。14年度受注高も800億円に迫る787億円と創業以来の最高額を更新している。
売上高の内訳は、完工高が637億3200万円(前期比12.8%増)と3年連続で伸び、兼業売上高も5億5100万円(同4.6%増)に回復した。公共工事量の増加を受けた積極的な受注が奏功し、再び動き始めた旺盛な民間設備投資を反映している。
建築工事が360億3900万円と全体の56.5%を占めて前期より伸ばした。土木工事は43.5%の276億9300万円とやや後退。道内での受注は54.3%の345億7700万円と5割を突破した。道外が40%の254億9200万円と伸び悩み、海外が36億6300万円と30億円台に乗せた。
10億円以上の大型工事は14件受注した。札幌創世1・1・1区の市街地再開発をはじめ、厚幌ダム新設、新千歳空港国内線整備などの大規模プロジェクトを共同体で落札。東北地方整備局が発注した茂市トンネルや簗川トンネルなどの被災地復興工事、ウガンダ共和国での病院新築など道外、国外での受注も顕著だ。
総利益は49億600万円(前期比11.3%増)、営業利益は14億5300万円(同44.7%増)、経常利益は15億5200万円(同56.6%増)と好調に推移した。純利益は13億900万円を計上し、経常利益、純利益ともに合併後の最高益となった。同社は「原価管理の徹底と赤字になる不採算工事の解消に努めた。工事量が復調し、選別受注ができるようになった」と受注環境の改善を一因に挙げている。
14年度の受注高が787億円と過去最高を記録したことで、来期か再来期には完工高が史上最高となる可能性がある。今後も道内での堅実な受注に専念するが、準備が進む東京五輪関係の大型工事の受注も始めている。資材価格が落ち着く被災地工事も利益率が高まりつつあり、同社にとって道外工事はこれから大きな割合を占めることになりそうだ。