北海道開発局は、新千歳空港国際線ターミナルビルと滑走路を結ぶ新たな誘導路の整備とエプロンの拡張を2016年度概算要求に盛り込む方針を固めた。離着陸が増えている国際便の混雑解消を目指す。政府が訪日外国人旅行者の目標を2000万人とする20年度ごろまでに受け入れ体制を強化したい考えだ。
新たな誘導路は、国際線ターミナルビルから南側に伸びて平行誘導路に隣接するデアイシングエプロン付近までの約2㌔を想定。千歳市と苫小牧市との境界付近で交差する構内道路はアンダーパスになる見通し。併せて、現在5機分あるエプロンを南側に数機分を増設する計画で、具体の規模は今後の調査で詰める。
国際線の駐機エリアは航空自衛隊千歳基地側にあり、滑走路に向かう誘導路は北側の1カ所のみ。滑走路の南端から離陸が多くなる冬季を中心に、航空機は5㌔近い距離を地上走行しなければならない。南側に新たな誘導路ができれば、移動距離が大幅に短縮されるとともに離陸待ちの航空機が減少し、空港内の混雑緩和が期待できる。
開発局は、整備に向けた調査・設計などの関連費用を16年度概算要求に盛り込みたい考え。予算が認められれば16年度から実施設計に取り掛かる。業務や工事の発注は札幌開建が所管するとみられる。
新千歳空港の国際線利用者は14年度、前年度比26.7%増の170万1800人に達し、外国の航空会社から乗り入れ要望も相次いでいる。
これらを踏まえ、国土交通省は1時間当たりの発着回数を増やすなどの検討を開始。土木施設を担当する開発局も航空機の受け入れ拡大と混雑緩和に向け、空港の能力向上を目指すことにした。