札幌市は見直し作業を進めている都市再開発方針で、まちづくりの熟度に応じて支援するステップアップ型の地区指定を固めた。重点的に再開発を誘導する「整備促進地区」で都心、苗穂、新さっぽろ、篠路、琴似、真駒内、大谷地流通業務団地の7地区、その中でも特に促進すべき「2号地区」には都心、苗穂、新さっぽろ、篠路の4地区を確定。琴似は、JR琴似駅周辺で実施した一連の再開発に続き、さらに広範囲での再開発を地域が指向している。
市は現在の都市再開発方針を2004年3月に作成。長期的視点で再開発を進めるための基本的な考え方を打ち出し、これに基づく建築規制緩和などの支援策を通じて民間開発を計画的に誘導してきた。13年度に上位計画のまちづくり戦略ビジョンが策定されたことから、都市再開発方針も見直すことにした。
現行方針では、計画的な再開発を必要とする「1号市街地」と、そのエリア内で重点的に再開発を誘導すべき「整備促進地区」、さらにその中でも特に再開発への機運や熟度が高く、一体的かつ総合的に市街地再開発を促進すべき「2号地区」を定めている。
2号地区は地域の取り組みや実情に応じてまちづくりを支援するステップアップ型に位置付け直し、新たに公共貢献を積極的に誘導することを目的とした「政策誘導型」による地区指定を盛り込んだ。
政策誘導型の「整備促進地区」は地域交流拠点、地下鉄駅周辺、都心部の3地区で、このうち「2号地区」には地下鉄駅周辺と地下歩行空間の2地区を指定。公共貢献の内容としては空中歩廊・地下接続、駐車場拡大、再生可能エネルギー導入といったハードのほか、帰宅困難者対策などを想定する。
見直し後の整備促進地区に盛り込む琴似は、地下鉄駅や琴似駅前通周辺を含む広いエリアで、まちづくり機運が高まっており、地区指定することにした。