2016年3月の開業に向け、ほぼ完成した道内2つの新幹線駅舎内部が11日と12日に相次いで公開された。近隣住民ら延べ700人ほどが訪れ、道南スギなど地域性を生かした内装デザイン、ホームまでの経路や乗り換え方法などを確認し、開通のイメージや期待感を膨らませた。
高架下の木古内駅(2階建て)は駅本屋が1850m²、旅客上屋が6410m²の規模。橋上の新函館北斗駅(3階建て)は駅本屋が4200m²、旅客上屋が5300m²で、ホーム長はいずれも10両編成対応の263mとなっている。
11日の木古内駅見学会には約200人が参加。コンコース天井で道南スギをトラス構造に組み「波のうねり」を表現したこと、高架橋のコンクリート柱をそのまま活用したことなどを聞き、2階ホームからは街並みと海を見渡せる絶景も楽しんだ。
参加者は「所々に使っている道南スギが良いアクセントになっていた」とデザイン性の高さに感心した様子。大森伊佐緒木古内町長は「夢だった新幹線が現実となる瞬間が近づいてきた、とあらためて感じたのでは」と話していた。
一方、12日は競争率2・2倍から選ばれた約500人が新函館北斗駅を見学。函館山を眺めながらエスカレーターで2階に上がり、モダンな雰囲気漂うエントランス・コンコースを抜け、1階ホームへ向かった。
黒色の円形照明設備ともマッチする、枝分かれした白い樹林フレームはトラピスト修道院前の並木をイメージ。道南スギやれんがも使用し、まちとの一体感が演出されている。参加者は「この駅から早く新幹線に乗りたい」と興奮していた。
高谷寿峰北斗市長は「残り8カ月、北陸新幹線に負けないよう波状的にイベントを実施し、開業を盛り上げる。新幹線駅のできるまちとしての責任もあり、引き続き駅前の企業誘致、観光振興を図る」と力を込めた。
建築工事は木古内駅が24日、新函館北斗駅が9月3日の竣工を予定している。