札幌開建は、豊平川の1号床止め改築を計画している。2016年度の着工を目指し、15年度後半は詳細設計を推進。事業費は最大で10億円程度を見込んでいる。左岸側と右岸側に分け2カ年で施工する予定で、治水安全性や河川環境保全の向上を図る。これにより、07年度から進めてきた床止め群の改築は全て終わることになる。
豊平川は河床勾配が大きく、洪水時には三角波が発生するなど高速の乱れた流れが生じ、堤防が決壊するなどの危険を抱えている。
豊平川扇状地の氾濫域には、札幌市の中心市街地が広がり、人口、資産が集積。ひとたび豊平川が破堤すると、流れの速い氾濫流が短時間で都市部に到達し、都市機能がまひする恐れもある。
そのような地形的特徴から、開発局は床止め群の設置工事を1950年代に開始。計画にはあったが実際には着手しなかった2号を除き、1―8号の7つの床止めを市街地区間に設置した。
その後、河川環境の整備と保全を目的として97年に河川法が改正。これに基づき同局は04年に石狩川水系河川整備基本方針を、続けて06年には石狩川水系豊平川整備計画も策定した。
札幌開建は長年の流水作用により破損、摩耗、空洞化などの問題を抱えていた床止め群の改築に07年度着手。これまでに1号を除く全ての改築を終えている。3―8号の改築には、総額約40億円を投じた。
豊平川の床止め群改築は、今回の1号が最後。既存施設は上流側護床、本体、水たたき、下流側護床を含む縦断方向が64m、横断方向が88m、落差が1・5mとなっている。
8月28日に開札を予定する1号の詳細設計は、09年度の概略設計、13年度の修正設計などを踏まえ、全面改築、一部改築、改良などの整備手法をあらためて検討しながら、整備規模を含めた詳細を詰める。設計基準を満たしつつ、景観にも配慮した施設とする方針。
全面改築なら河川土工、床止め、低水護岸、高水敷保護、護床、構造物撤去などの工事となり、2カ年で左岸、右岸と分け工事を発注する。初弾工事は早ければ16年度の9月ごろの開札となり、非出水期である11月ごろからの工事本格化を目指す。