北洋銀行が27日発表した道内景気動向に関する調査結果によると、全産業の景気の現状を表すDIは、前年同期の調査時から18ポイント悪化しプラス1となった。公共投資の減少に伴う建設関連の落ち込みが影響した。
道内の取引先715社を対象に5月中旬から6月中旬にかけて調査し、65%に当たる465社から回答を得た。調査を担当した北海道二十一世紀総合研究所では「道内景気は悪い状況にはなく、持ち直している印象」としている。
道内景気の現状について尋ねたところ、全体の16%が「回復」、15%が「悪化」とし、残りの69%は「横ばい状態」とした。回復の時期については「2015年度中」が最も多い48%で、これに「16年度中」の28%、「17年度以降」の24%と続いた。
業種別のDIは製造業が前年同期比13ポイント悪化のマイナス2、非製造業が20ポイント悪化のプラス2となった。
製造業は、公共工事発注が一巡したことを受け、鉄鋼・金属製品・機械が前年同期から45ポイント下がりマイナス21へと悪化。木材・木製品も住宅着工戸数の減少で10ポイント悪化のマイナス5となった。
非製造業の建設はプラス2と何とかプラス水準を維持したが、前年同期からは37ポイント悪化。卸売は33ポイント悪化のマイナス15、小売は10ポイント悪化のプラス3にそれぞれ下がった。観光関連のホテル・旅館は1ポイント上昇のプラス14で、非製造業の中では唯一改善した。
先行きへの懸念材料としては個人消費、原材料価格、国内景気、原油価格、電気料金、公共投資の順に多く挙げられた。建設業では公共投資、国内景気、原材料価格の順で高い割合を占めた。
同時に行った円安の影響に関する調査では、42%の企業が原材料価格や燃料費などの面で「悪い影響がある」と回答。逆に「良い影響がある」としたのはわずか4%で、道内企業には円安の恩恵がほとんどない実態があらためて浮かび上がった。