雪1000t使いホワイトデータセンターの実証実験-美唄で9月から

2015年07月30日 19時29分

 雪冷熱エネルギーをサーバー冷却などに活用する、ホワイトデータセンター(WDC)構想を進める雪屋媚山商店や美唄市など7者は、同市の1カ月分の排雪量に当たる1000㌧の雪を使って9月下旬から冷房効果に関する実証実験に取り組む。センターから生み出される廃熱も植物工場や養殖施設での再利用を考えており、これらを備える実験用施設建設にも着手する見通しだ。

 同構想には、雪屋媚山商店、共同通信デジタル、データホテル、環境技術センター、ズコーシャ、室工大、美唄市が参加。除排雪を集めて貯蔵した雪山による高効率熱供給システムの共同研究を進めている。

 2014年7月に新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の再生可能エネルギー熱利用技術開発事業の委託先として選定された。雪冷熱によるWDC冷房システムを確立するだけではなく、センター廃熱を植物栽培や魚介類の養殖へ利用することも計画。市内で除排雪された雪を用いるため、不要な雪の有効活用策としても期待されている。

 総事業費は3億円。14年度は約3000万円を充て、小規模実験施設整備や次年度に備えた検討会議などを展開した。

 2年目となる15年度は、雪屋媚山商店が施主となり、実験用センターを整備。施工をピーエス三菱に依頼した。規模はS造、平屋、延べ120m²で、サーバー20ラックを配置する。設計は久米設計が担当。事業費は約1億3000万円を見込む。

 施設完成後、10月下旬まで冷房効果を検証。さらに、外気による効果も確かめ、12月には暖房廃熱を回収する実験を進める。年明けから雪解けまでは除排雪3000㌧を集め、次年度に備える。

 また、植物工場と養殖施設についても、生育に適切な温度を保てるかどうかなど、年度内に実験を実施する予定となっている。


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