釧路市は2016年度の技術職員採用に当たり、9月20日に札幌市内で初めて、民間企業などの職務経験者を対象とした1次試験をするが、応募者が1人という状況だ。15年度の採用で苦戦したことから実施を決めたものの、厳しい現状に直面している。
市は例年、退職者の動向などを勘案して技術職の採用人数を決めている。15年度の通常採用は、1次試験受験者が少なかった上に合格者の辞退が相次ぎ、予定していた人数を確保できなかった。このため、対象年齢を40歳まで引き上げて再募集し、1月に1次、2月に2次の試験をそれぞれ市内で実施。土木7人、建築3人、電気と機械各1人を採用した。
15年度は土木9人、建築3人、電気2人の技術職が定年退職する予定。16年度はこれを補う程度の採用を見込んでいる。
札幌で実施する職務経験者対象の採用試験は、募集年齢を15年4月1日現在で44歳までとし、釧路管内の企業への影響を考慮して管外の在住者に限定。3日から募集を始めた。
市は「地元に戻りたい」「釧路に住みたい」というU、I、Jターンの応募に期待。移住者対象のホームページにも情報提供した。しかし、14日の受付期限までの応募者は1人のみ。応募は郵送の場合、14日の消印有効のため、市職員課は「あと2、3日は待ちたい」としている。
市の技術職は50歳台が厚く、今後は定年退職が相次ぐ。今回の応募状況を受けて市職員課では「情報提供の方法など工夫が必要だった」とし、通常採用の状況を勘案して対策を検討する考えだ。