国土交通省は、2016年度北海道開発予算の概算要求に高規格幹線道路の充実や、農林水産・食・観光関連産業を支える社会基盤の整備、防災・減災と社会資本の老朽化対策などを重点事項に盛り込む方針を固めた。一般公共事業費に当たる開発事業費の要求額は、国費ベースで6000億円を超える規模になる見通しだ。
16年度予算の概算要求で政府は、公共事業費などの裁量的経費を前年度から10%削減する一方、成長戦略の日本再興戦略改訂2015に関連する施策は優先課題推進枠とし、最大30%まで上積みして要求を認める方針を決定。これにより概算要求額は最大で前年度比17%増程度となる見通しで、15年度当初に5312億円だった開発事業費の要求額は6000億円を超えるものとみられる。
開発予算の概算要求に当たり国交省は①人が輝く地域社会の形成②世界に目を向けた産業の振興③強靱(きょうじん)で持続可能な国土の形成―の3点を重点事項に設定。16年度から始まる第8期北海道総合開発計画の推進に必要な予算を積み上げる。
人が輝く地域社会の形成には、広域的な交通ネットワークの形成に向け高規格幹線道路の整備に関連する予算を要求する。世界に目を向けた産業の振興では、本道の強みである農林水産・食・観光関連産業を支える基盤整備を重点化。農業農村や水産基盤整備のほか、外国人観光客が急増する新千歳空港の機能強化などを盛り込む考えだ。
強靱で持続可能な国土の形成では、防災・減災対策をはじめ、老朽化した道路など社会資本の戦略的な維持管理、更新などを進める。
これら重点事項の一部は優先課題推進枠で要求し、予算の上積みを図る。16年度予算の概算要求は8月末に財務省に提出する。