吉田鋼機と榊産業が来年1月に合併-配送効率化で経営強化

2015年08月21日 19時00分

 鉄鋼2次製品卸業者の吉田鋼機(本社・札幌)と榊産業(同)が2016年1月1日付で合併する。新社名は「株式会社神鉄(しんてつ)」。合併によって、売上高が10億円規模となる道内最大級の特約店が誕生する。道央圏の需要が縮小を続ける中、配送システムの効率化なども進め、生き残りを図る。

 吉田鋼機は1929年に創業。08年に片山鉄建(本社・大阪)の100%子会社になっている。売上高は約4億円。榊産業は、吉田鋼機の社員だった榊登志夫社長が93年に設立した会社で売上高は5億円ほど。両社ともカラー鋼板を中心に取り扱う。

 鉄鋼2次製品業界では、メーカーや商社の統合が進む一方で、特約店は再編が遅れ、個別に事業展開しているのが現状。両社が事業エリアとする道央地域では、需要減少と競争激化が顕著となり「事業継続のためには売上げ規模の拡大が必須」(吉田鋼機社長を兼務する阿部智康片山鉄建札幌営業所長)と判断した。

 榊社長も「需要の減少が続き、長期的に見ると厳しい状況。生き残りに危機感があった」と言い、両社の思惑が一致したことから、13年から経営統合への準備を開始。吉田鋼機の決算時期に合わせ、16年1月の合併を決めた。

 存続会社は吉田鋼機。代表取締役社長には榊氏が就く。代表取締役は2人体制で片山鉄建の片山隆之社長も代表権を持つ。阿部所長と榊伸一郎榊産業専務は取締役にそれぞれ就任する。資本金は5000万円で出資比率は片山鉄建が4000万円で80%、榊社長が1000万円で20%。

 合併後の拠点は、吉田鋼機の所在地である札幌市西区発寒14条13丁目の片山鉄建鉄鋼センター内に構える。榊産業が白石区米里に置く配送ヤードも継続して利用する。

 合併の狙いには配送システムの効率化もある。利用できるトラックの台数を増やすとともに、「東西の両拠点で出荷先に応じて配送を分担することで、少しでも早く商品を提供したい」と榊社長は話す。こうした経営努力による効果も見込み、合併後初年度の売り上げ目標は10億円とした。販売数量では2000㌧前後だ。

 函館、帯広、釧路の特約店を傘下に収める片山鉄建グループの道内での売上高は60億円程度。中核となる道央の拠点強化で、さらなる売り上げアップを目指す。


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