観光都市・函館の顔である278号函館駅前通の電線共同溝に取り組む函館開建は、初弾工を近く一般競争公告する。約400m区間の両側歩道に通信、電力管路を埋設し、電線類を地中化する計画。総事業費は9億円で、工事期間には3、4年程度を見込んでいる。歩道や照明、市電の架線などの再整備とも連動し、人々でにぎわう空間の創出を目指す。
事業区間は5号、279号と交わる駅前交差点から道道函館南茅部線交点まで。幅員構成は市電の軌道部分5・5mを挟んで車道各6m、路肩各0・3m、歩道各4・5mの計27・1mで、歩道部分での施工が大半を占める。
工事は、駅側から順次進める方針。管径5―15cmの硬質塩化ビニール管を開削で埋設し、同時に引き込み部や桝などを設置する。初弾工は一般土木B、C等級を対象とした、1億円未満の工事規模。6カ月の工期を設定している。
歩道部分では現在、函館都心商店街振興組合でアーケードを撤去中のため、これが終わる9月下旬以降の着工となる。
またこの工事に合わせて、市民や観光客を呼び込めるよう、共同溝布設に合わせて新旧を融合させたデザイン性豊かな道路空間の創造も推進。
れんが舗装の採用やゲート照明、季節感のある落葉樹の並木創出、光源が見えるデザインやフラッグポールの付いた照明柱など、函館市の計画に基づき、同開建と市が連携して整備し、駅前通と交差する緑地帯のグリーンプラザも考慮した一体的再生を図る。
また市企業局では、区間内の架空電車線方式を、道路上空に多くの線を張り巡らさなくてはならない直接吊架(ちょうか)方式から、シンプルカテナリー方式に変更する計画。これも良好な景観づくりに寄与しそうだ。