産業ガス大手のエアウォーター(本社・大阪)は、JR桑園駅近くのグループ会社跡地で計画する高齢者複合施設の建設計画を見直す。今後具体的に検討し、2015年度末をめどに新たな計画の中身を決める方針だ。
4日に札幌市内で行った報道各社との懇談会で、北海道代表の藤田昭専務が明らかにした。
当初の計画は、エアウォーター物流の本社があった札幌市中央区北8条西13丁目28の敷地に、9階建て、延べ1万2560m²の施設を新設する内容。総工費は38億円で、1階にデイサービスやコンビニエンスストア、調剤薬局、多機能センター、2階から5階に病院と健診センター、6階から9階にサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)を入れる方向で検討していた。
しかし、その後の建築費高騰や共同事業者となる医療法人が決まらないことなどから、計画の見直しが必要になった。建築費は当初から2割ほど上昇しており、事業の再構築が必要になっているという。
懇談会で藤田専務は「事業実施に向け準備をしているところだが、計画の見直しは避けられない。15年度末までに判断したい」と述べた。
鹿島などと共に鹿追町で計画する燃料電池自動車(FCV)用水素ステーションの整備事業に関しては、4年後の実証運転開始に向け、設計作業が始まった段階だとした。