北海道開発局は2016年度、農業部門の工事費積算システムを河川・道路部門に統合して運用を開始する。これにより農業工事の公示用設計書は大きく変わり、河川や道路と同様の書式となる。新システムでの積算は、16年4月1日以降に各開建が公告する数件の工事で試行した後、問題がなければ16年度後半から本格運用したい考えだ。
現在、農業部門が使用している農業農村整備事業工事費積算システム(農積システム)の運用をやめ、河川・道路部門が使用する新土木工事積算システム(新土積システム)に統合する。
農積システムは工種などのコードを手入力する必要があり、積算作業に時間がかかる。一方の新土積システムは、画面上で条件を選択して作業を進められ、省力化が期待できるほか、河川・道路部門と統一することで保守や管理などが容易になるといった利点がある。
新土積システムへの移行に伴い、農業部門の歩掛かり体系は農林水産省の土地改良積算基準がベースになる。これまで農積システムで使用していた開発局独自の農業土木工事費積算基本資料の使用はやめる。
このため農業工事の公示用設計書は、工事・工種体系ツリーごとに規格や細部が階層化されている河川や道路と同じ様式になるなどの変更がある。
農林水産省の積算基準に加え、独自の積算基準(農業土木工事における農業細部運用)を新土積システムに盛り込むことを予定し、具体の内容は12月にも公表する考え。開発局は「使用する歩掛かりの数値に大幅な変更はない」としている。
受注者が注意しなければならないのは16年4月以降、新旧のシステムで積算した工事が混在するという点だ。開発局は入札説明書に、どちらのシステムで積算したかを明記する考えで「公告した時点で、まずは積算方式を確認してほしい」と呼び掛けている。