道は4日の道議会建設委員会で、旭化成建材による杭工事データの流用問題を受け、工事監督要領や検査方法書を見直す考えを示した。発注済みで施工中の工事については、杭施工に関する監督や検査を強化する方針だ。
同社が公表した過去10年間の道内施工実績442件のうち、道は契約67件、47施設を発注工事と確認。釧路市と紋別市の道営住宅3件、新篠津村内の高等養護学校1件の計4件、4施設で同社がデータ流用を認めている。
この日の建設委員会では、道としてこの問題を検証した上で、国土交通省が4日に初会合を開いた基礎杭工事問題に関する対策委員会での検討状況を注視しながら、再発防止を目的に工事監理要領や検査方法書を見直す考えを建設部の宮内孝建築企画監が示した。
道は、データ流用が判明した道有施設について、地盤調査や構造計算といった根拠に基づく安全性の早急な確認を同社に求めている。一方で、道としても安全性を確認する必要があるとして、宮内建築企画監は北方建築総合研究所など有識者の協力を得ながら、構造計算やひび割れなどの調査をするとした。
市町村や民間の建築物に対しては、調査方法の助言や具体的な調査への支援などを可能な限り実施すると強調。建設業や不動産業など関係団体と連携した相談体制の充実も図るとした。
2日時点で工事関係書類を点検する道の独自調査は29件、26施設が未了。道は発注工事での確認作業を急いでいる。