北測協が測量技術者養成へ助成-札幌工科専門学校と連携し

2015年11月11日 18時50分

 北海道測量設計業協会(223社、安田容昌会長)は、測量技術者を養成するための助成制度を創設した。札幌工科専門学校と連携し、会員企業が新入社員を同校に入学させた場合、独自の制度と厚生労働省の助成事業を合わせて、入学金や授業料などの諸経費と社員に支払う賃金の総額の約6割を支給する。測量技術者は、50―60歳代が半数を占めている現状。次代を担う人材の確保・育成に協会ぐるみで取り組む。11日から入学希望者の募集を始めた。

 札幌工科専門学校の測量情報科(1年制)に新入社員や入社数年目の社員を企業委託生として入学させることが条件。2016年1月末まで募集し、2月初めに対象者を決める。助成額は年額で1人当たり30万円。年間5人を上限とする。

 厚生労働省は14年に同学科を、職業訓練を支援するキャリア形成促進助成金の「中長期的キャリア形成コース」講座に指定した。条件を満たせば、入学金と授業料、教材費の諸経費から半額、賃金は1時間当たり800円を助成する。

 札幌工科専門学校には、企業委託生への授業料免除措置があるため諸経費は98万円となり、企業は年間180万円の賃金を含め計278万円を負担する。北測協と厚労省はこの総額に対し、計175万円を支給する。企業の実質負担額は103万円となり、本来より62.9%少ない支払いで済む。

 会員企業は大学や高校の新卒者を募っているが、苦戦を強いられている。菊地勇理事は「13年に札幌理工学院が閉校となり、即戦力を養成する機関が消滅した。以来、就職希望者は激減の一途をたどっている」と話す。

 測量士の15年度合格率は11.5%、測量士補は28%と、狭き門で知られる。一方、札幌工科専門学校を卒業すると測量士補の資格が取得できる上、2000時間の実務経験で測量士になることができる。

 測量技術者の年齢構成は、50代が25.9%で最多。60代と合わせると47.9%を占めるという高齢化の現実がある。中堅の40代は25.8%で豊富だが、30代は18.7%、20代は7%にすぎない。

 菊地理事は「若い人が全く入ってこない危機的状況が続いている。協会が即戦力の養成支援に乗り出し、最新のIT型測量を若い人にPRしながら、魅力ある職場づくりを進めることを決断した」とし、人づくりに積極的に取り組む方針だ。


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