開発局、道の15年度補正予算は大幅増の見通し-農業中心に事業選定進む

2015年12月03日 18時55分

 安倍晋三首相が2015年度補正予算の編成を指示したことを受けて北海道開発局と道は、予算案に盛り込む事業の選定作業を進めている。政府が11月25日に決定した環太平洋連携協定(TPP)の政策大綱に基づき、農業農村整備を中心に事業が積み上げられる見通し。総額は開発局、道ともに14年度の補正予算を大幅に上回る規模が見込まれる。

 政府のTPP政策大綱には、担い手を支援するため農地の大区画化・汎用化を進めるほか、酪農の生産基盤強化策として草地の大区画化や自給飼料の生産拡大といった施策が盛り込まれた。政府・与党内からは、農業経営の体質強化に向けて土地改良事業の推進を求める声が挙がっていて、補正予算の重点項目の一つとなっている。

 3日の衆院内閣・農林水産連合審査会で、道内選出の武部新衆院議員が「土地改良事業や共同施設、強い農業づくり、産地パワーアップ事業が必要との声が道内から挙がっているが、どのように進めるのか」との質問に、森山裕農林水産相は「補正予算の編成に向けて具体的な作業を進めている。スピード感を持って、しっかりとした補正予算を作りたい」と答え、土地改良事業などの農業対策が補正予算に盛り込まれる見通しを示した。

 農地の大区画化は、経営面積の大きい本道農業に重点化されるとみられ、土地改良予算のうち相当程度が本道に配分される可能性がある。現時点では流動的だが、農業農村整備は直轄、補助ともに14年度補正予算の数倍に膨らむ見通しだ。

 このほか、治水対策など防災・減災に意識した事業、水産品の輸出を増やすための漁港整備など水産分野にも予算配分が検討されている。

 政府は15年度補正予算について中旬の閣議決定を目指し、年明けの通常国会に提出し、成立させたい意向だ。


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