杭の打設位置管理に衛星測位-砂子組らがマンション工事で試行

2015年12月11日 19時12分

 データ転用問題で杭工事に投げ掛けられた不安を、情報化施工で解消しようとする試みが始まった。砂子組(本社・奈井江)は札幌市北区の分譲マンション新築に、衛星測位を使い杭の打設位置を管理するシステムを導入。杭工事担当の三谷セキサン(同・福井)はこれに合わせ、QRコードを使った資材管理を道内で初運用した。効率化やミス防止に加え、消費者に「安心・安全」を示すセールス要素として注目を集めそうだ。

 導入したのはミサワホーム北海道(本社・札幌)が新築する仮称・アルビオガーデン北24条。高層棟と低層棟から成り、全体規模はRC造、9階、延べ5837m²。61戸が入る。設計はKS設計室で、砂子組が主体、設備一括で受注した。

 基礎工事は、杭穴掘削から打設まで1本ごとに砂子組と三谷セキサンの両社でデータを確認しながら作業を進めるが、新たな工夫を施すことで、より高度な施工監理を模索した。

 砂子組は、今春から日立建機日本(本社・埼玉県草加市)の協力で建築の基礎掘削土工に情報化施工を採用するなど運用研究を進めている。杭問題の発生を受け、杭打設の位置管理に応用した。

 三谷セキサンは、これに合わせ杭に貼り付けた2次元バーコードで、種類の異なる杭資材の現場搬入、打設を管理する新たな仕組みを導入。作業ごとにコードをスマートフォンで読み取り、本社とデータ送受信で照合。杭種や長さを確認しながら作業を進めた。

 マンションの建築基礎は杭種が複数あり、施工位置が密集することも多い。この現場では低層棟で長さ14mのコンクリート既製杭2種類42本、高層棟で同17mの6種類52本を、地下19―22mの深さに打設する。

 現場責任者の鈴木一紀建築部工事長は「情報化施工や資材照合で杭の取り違いなど人為ミスを防げる。杭の杭種や位置が、電流値やセメントミルク量と共にデータに記録されるため、打設後に見えなくなる杭を管理する上での利点になる」と説明する。精度検証などを進め、今後の工事に生かせるようシステム確立を図る。

 同社の黒島美男建築部長は「杭問題は施工監理の在り方を見直し、新たな提案を考える機会になった。情報化施工で杭が正しい位置に入っているかが分かるため、発注者や購入者に対し確実な監理の売りになる」と強調する。引き続き、建築への情報化施工応用の研究を進め、施工効率化とともに、適切な施工監理を証明するツールとして、積極的に採用する考えだ。


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